図形問題の気持ちになって考えたことありますか?
今日は図形問題です。
[問題]
三角形ABCがあってAB=√3a,BC=a,CA=2aで、
点Aと点Bの間に点R,点Bと点Cの間に点P,点Aと点Cの間に点Qを△PQRが正三角形になるように動く時、△PQRの面積の最小値を求めよ。
[解答とか解説]
これは最初質問された時に、複素平面を使って説明してまいました。
今は複素平面のかわりに数学Cで一次変換をやってますが。
何故この問題を取り上げたかと言うと、実は単に三角関数で出来ます。
よく座標をとってノートに式がぶーわーなって途中で剥離骨折してる人がいますが、
中学生の図形問題的にやってみると簡単に解けるようになってることがあります。
もっとあのピチピチの単パパを履いてママと手をつないでお出かけしてた純粋やった中学生の時に戻ってみてください。
これは難しい問題でよくありますが図形的にわかることから、かなり計算が簡単になったりします。
と言うことで、まずはお決まりで図を書いてみましょう。
図を書いてみましょう。

ちょうど△ABCは∠ACB=60°、∠ABC=90°の直角三角形ですね。
他にも方法があるかもしれませんが∠BPR=Θと置きます。
こう置くってとこが何気に一番難しいところですが。
正三角形PQRの面積をΘの関数で表すことを考えます。
まずは
∠PQC=Θ
がわかります。
これは中学生の時によくやったことです。
直線は180°だから
∠BPR=180°-∠RPQ-∠QPC
で∠RPQ=60°だから
∠BPR=120°-∠QPC
になります。
また三角形の内角の和は180°だから△PQCで
∠PQC=180°-∠PCQ-∠QPC
で∠PCQ=60°だから
∠PQC=120°-∠QPC
だから
∠BPR=∠PQC
です。
ここまでわかると、正三角形PQRの一辺の長さbとすると
直角三角形RBPから
BP=bcosΘ
また△PQCで正弦定理から
PC/sinΘ=PQ=/sin60°
より
PC=bsinΘ/sin60°
です。
で、これよりBC=aだからBPとPCの和がaになります。
BC=BP+PC
⇔
a=bcosΘ+bsinΘ/sin60°
これをbについて解いて
b=√3a/(2sinΘ+√3cosΘ)
になりますが、2sinΘ+√3cosΘ≠0であることを断っとかなければなりません。
そこでΘの範囲が必要ですが、Θの範囲は、点Pが点Cから点Bまで動くイメージをしてみください。

点Pが点CまでくるとΘは0°です。
点Pが点Cから点Bに向かって動くとΘは大きくなってきます。
点Qまでくると90°になります。
なので
0°<Θ<90°
であるとわかります。
解答に書くときはいきなり0°<Θ<90°だからって書いても大丈夫だと思います。
これは説明の最初に書いとくべきでした。
よってcosΘ>0、sinΘ>0だから2sinΘ+√3cosΘ≠0です。
これでbがΘで表せたので△PQR=1/2b^2sin60°だから正三角形PQRの面積もΘで表せたことになりますが面積が最小になるのは、そら辺の長さのbが最小になる時なのでbについて考えます。
2sinΘ+√3cosΘのとこはこれは三角関数の合成が出来ます。
三角関数の合成については
三角関数の合成の説明に書いときました。
合成すると2^2+√3^2=7だから2と√3を√7割れば(2/√7)^2+(√3/√7)^2=1
だから
2sinΘ+√3cosΘ=√7(2/√7sinΘ+√3/√7cosΘ)
=√7(sinΘcosα+cosΘsinα)
(cosα=2/√7,sinα=√3/√7)
=√7sin(Θ+α)
で
b=√(3/7)×1/sin(Θ+α)
です。
これの最小値を求めるにはΘの範囲とαがどれくらいの値なのかの情報が必要です。
αはcosα=2/√7>0,sinα=√(3/7)>0だから単位円の図を書くと0<α<90°とわかります。
三角関数の合成を使った最大値、最小値を求める問題ではよくこうやって考えます。
b=√(3/7)×1/sin(Θ+α)
はsin(Θ+α)=1の時、最小と思われますが0<Θ<90°より
α<Θ+α<90°+α
で90°はαと90°+αの間だからΘ+α=90°、つまりΘ=90°-αの時にbは最小値√(3/7)をとります。
この時、面積も最小になって最小値は
1/2√(3/7)^2sin60°=3(√3)a^2/28
で出ました。
高校数学の問題と解説
- 関連記事
-
テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育
|