背理法は納得いかんとか、意味不明とかはよくあると思います。
確かに背理法を認めない数学者もいたらしいけど、とりあえず大切なことは入試で背理法の問題が解けるかどうかです。
そんなん、背理法には疑問を感じるとか言うてそこでずっと止まってたら入試も何もかも出来んようになるからな。
√2は無理数であることの証明が重要なのでその話を書く予定ですが、まずは身の周りにある背理法から直感的に理解してもらおうと思います。
例えば、宝くじを信じて買い続けたら儲かるかどうか考えてみましょう。
こんな話を聞いたことあります。
普段は宝くじなんか買わないようなお父さんが、若い娘にそそのかされて宝くじをたまたま1枚買いました。
そしたら、100万円あたりました。
それで家族の人らがこれでハワイに旅行に行けるとか想像してましたが、何故かお父さんは新聞読んでて何も言いません。
それで、息子があの100万円はどうなったのか?聞いたら
お父さん「100万円全部使って宝くじを買ったら何も当たらなかった」
って言うて袋叩きにされました。
そんなん買いまくって儲かってたら宝くじの商売は赤字になるから当たり前です。
これが背理法です。
まあ宝くじの合計当選金額を全枚数で割って1枚あたりの値段を引いて期待値を出せばわかる話ですが、
そんなん計算しなくてももし宝くじを買いつづけてみんな儲かったらどうなるか?って反対のことを仮定して妄想すると宝くじを売る側は赤字と言うおかしい所が出てきてそれが間違ってると簡単にわかるのが背理法です。
そうやって証明するには込み入った複雑な構成をしてやっと出来るものも背理法を使えば結構簡単にわかってしまうことが世の中にあります。
例えば、なんで勉強しなければならいのか?って言う問題はめちゃめちゃ難しいですが、そしたら勉強しなくて良いとするとその辺で上半身裸で槍持って猪とか追いかけてることになります。
何故、人を殺したらいけないのですか?って言われても人をなんぼでも殺しても良いのだったら、
「おはよう」
「おう、おはよう。宿題やってきた?」
「ああ、あれ難しかって一つわからんと…」
でブチュっていきなり友達を刺してたら宿題一つも提出できません。
背理法は反対のことを考えてどうなるか妄想してみたら、おかしいことだらけになったからそれは違うことがわかったと言う感じです。
背理法についてだいぶんわかってきたところで、重要な√2は無理数であると言う証明を説明します。
何故この証明なのかと言うと、
○背理法の典型である
○整数問題の基礎である
と言うことでこれは是非参考書に書いてある証明を丸暗記をしてください。
そうすれば、問題をやってる時に√2が無理数である証明の方法と似たようなことをやれば解けたりするようになってきます。
まず反対のこと仮定します。
数学的に言うと結論を否定をします。
具体的には√2は有理数であると仮定します。
ここで一つ注意して欲しいのは、
暗黙の了解として√2は有理数か無理数のどっちか(√2は実数である)と言う前提があって、有理数であると仮定していると言うことです。
だから√2は複素数と言う範囲で考えてしまうと、有理数であることを仮定して矛盾を証明しても単に有理数ではない複素数と言うことになります。
この証明は√2は実数って言う暗黙の了解があって、有理数ではないことがわかるから有理数ではない=無理数であるとわかります。
有理数と言えば『mとnを互いに素な整数としてm/nで表せる』
これはもう身体で覚えてしまってください。
整数問題で有理数と言えば、m/n(mとnは互いに素な整数)ってまずは置くことが大切です。
整数問題で意外にもここが一番難しいところでもあります。
mとnは互いに素って言うのは分数は2/6=1/3のように一つの数でも色々な表し方がありますが既約な分数は一つに決まって、m/nはその既約な分数であると言うことを表すための条件です。
√2を有理数と仮定するとmとnを互いに素な整数として
√2=m/n
と表せる。
でとりあえずnを両辺にかける妄想をしていって
n√2=m
とまあこんなん間違った式ですけど、妄想は論理的です。
これはとりあえず√をとるために両辺2乗して
2n^2=m^2
この式から左辺は偶数なのでmは2の倍数です。
だからkを整数としてm=2kと表せます。
代入して
2n^2=4k^2
⇔
n^2=2k^2
で右辺は偶数なのでnは2の倍数です。
だからhを整数としてn=2hと表せます。
ここでm=2kとn=2hは両方2で割り切れるから、さっきのmとnは互いに素な整数であることに矛盾していることがわかります(別の言葉で言うとm/nは既約分数であったが2k/2hは既約分数ではないから矛盾)
これが『互いに素な整数』の使い方の例です。
こうやって整数問題でよく使う手法が入ってるので、丸暗記すると非常に力になります。
それと背理法の妄想はどこに向かっていいのかわからないのが難しいところです。
やっぱりうまく矛盾に導くためにパズル的な操作をしてるので、勘がよくないと出来なさそうですがそうでもありません。
だいたいパターンって限られているので、色々な背理法の問題を経験しておいたらどっかで使えるようになってきます。
そう言う話はまた数学の勉強法でも読んで下さい。
高校数学の公式や問題の解説
整数問題の解法の解説と問題演習
- 関連記事
-
テーマ:算数・数学の学習 - ジャンル:学校・教育
|