確率と漸化式の融合問題と言えば、何か切なくなって胸が苦しくなる人がいるけど何も言わずにただ抱擁してやってください。
今回の問題は、基本的な融合問題です。
電気通信大学昼間コース前期2009年度の第三問の解説
[問題]

右の図で、P-Q-R
はじめQにいて、さいころを投げるごとに,次の2つの規則に従って移動するものとする。\①Qにいるとき,さいころの偶数の目が出たらPに,奇数の目が出たらRに移動する。
②PあるいはRにいるとき,さいころの3または6の目が出たらQに移動し,それ以外の数の目が出たらその場にとどまる.
n回さいころを投げて移動した後にP,Qにいる確率を,それぞれp_n,q_nとする.以下の問いに答えよ.(配点50)\\
(i)p_1,q_1,p_2,q_2を求めよ.
(ii)q_(n+1)をq_nを用いて表せ.
(iii)p_nをq_nを用いて表せ.
(iv)p_n,q_nを求めよ.
(v)極限値lim(n→∞)p_n,lim(n→∞)q_nを求めよ.
[解答と解説]
(i)

p_1を求めるには最初Qにいて、Pに移動する確率やから目が偶数の2,4,6が出たいいから確率は
p_1=1/2
q_1は最初Qにいて、さいころを投げてQのままの時やけど絶対次はPかRに動くからQにおいてたら横のおっさんに
「あぅくとったら、しゃあったろか!」
って意味わからんこと言われてしばかれます。
だから
q_1=0
p_2を求めるには2回目にPにいる時であって、そうなるのは
1回目Q→2回目P
1回目P→2回目P
の二つの場合があるけど1回目Qは確率0やったからこの流れは無くて、1回目Pの時に3と6以外の目つまり1,2,4,5の目が出たら2回目もPのままやから
p_2=p_1×4/6
=1/3
q_2を求めるには2回目にQにいる時であって、そうなるのは
1回目P→2回目Q
1回目R→2回目Q
の二つの場合があるけど1回目Pで2回目Qに移動するには3か6の目やから確率2/6で移動します。
この流れは
p_1×2/6=1/6
1回目Qから2回目Qのままは起こらなかったから考えなくてよくて、
1回目Rで2回目Qに移動するには3か6の目やから確率2/6で移動します。
1回目Rにいるのは余事象考えてQでもPでもない1-q_1-p_1でこの流れは
(1-p_1-q_1)×2/6=1/6
だから結局
q_2=1/6+1/6=1/3
で求まりました。
だから最初にn回目にRにいる確率をr_nとおいて
p_n+q_n+r_n=1
と書いた方が解答を書きやすいと思います。
(ii)

いよいよ漸化式を立てろって問題やな。
(i)で具体的にn=1,2でやってみて、それをヒントに一般的なnやってみるってことです。
コツはn回目とn+1回目の関係を図で書いて考えることかな。
n+1回目にQにいるのは
n回目P(p_n)→n+1回目Q
n回目R(r_n)→n+1回目Q
でどちらも確率1/3で移動します。
だから
q_(n+1)=p_n×1/3+r_n×1/3
=p_n/3+(1-p_n-q_n)/3
=(1-q_n)/3
こういう図の書き方と、それを見て式を立てる方法を身につけて欲しいとこやな。
(iii)
q_nとq_(n+1)の関係は求まっていて
p_n+q_n+r_n=1
やって後はr_nはPとRの対称性から確率は一緒やからp_n=r_nなので
p_n+q_n+p_n=1
⇔
p_n=(1-q_n)/2
こうやって、余事象とか対称性で確率が同じになるのをよく考えます。
(iv)

漸化式を解いたらオッケーです。
まあこれは数列の範囲やな。
q_(n+1)=(1-q_n)/3
の形はq_(n+1)とq_nをxに置いた特性方程式
x=(1-x)/3
を解いてx=1/4
だから
q_(n+1)=(1-q_n)/3
x=(1-x)/3
辺々引いて
q_(n+1)-x=-(q_n-x)/3
つまり
q_(n+1)-1/4=(-1/3)・(q_n-1/4)
これで{q_n-1/4}は公比-1/3の等比数列だから
q_n-1/4=(q_1-1/4)(-1/3)^(n-1)
⇔
q_n=1/4-1/4(-1/3)^(n-1)
p_nはもうq_nで表されてたから
p_n=(1-q_n)/2
=3/8+1/8(-1/3)^(n-1)
(v)
これはおまけみたいな感じで(-1/3)^(n-1)はどんどん0に近づくから
lim(n→∞)p_n=3/8
lim(n→∞)q_n=1/4
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