まあ落ちついてキャロットスカート履け。
東京大学文系1963年度の第5問の解説です。
[問題]

平面上を移動する点があり、そのx座標,y座標が時刻tの函数として
x=f(t)=vtcosα,y=g(t)=vtsinα-5t^2
(v>0.0<α<π/2)
で与えられている。ある時刻t_0にx=10,y=0となるとして、その時刻t_0におけるx,yの変化率の2乗の和
(f'(t_0))^2+(g'(t_0))^2をαの式で表せ。
また、この式の値を最も小さくするようなαの値を求めよ。
[解答と解説]

ほんまにただ単に計算するだけの問題です。
t_0でx=10.y=0から
10=vt_0cosα…[1]
0=vt_0sinα-5(t_0)^2…[2]
が成り立っていて
f'(t)=vcosα
g'(t)=vsinα-10t
だから
(f'(t_0))^2+(g'(t_0))^2
=(vcosα)^2+(vsinα-10t_0)^2
=v^2-20vt_0sinα+100(t_0)^2
だから後は[1][2]の式からとt_0とvをαで表したのを代入したらよいだけです。
vを消去すると
0=10tanα-5(t_0)^2
より
(t_0)^2=2tanα
0<α<π/2でcosα>0,sinα>0,tanα>0で、またv>0で[1]からt_0=10/(vcosα)だからt_0>0より
t_0=√(2tanα)
これを[1]に代入してv=10/√(2cosαsinα)
だから[2]よりvt_0sinα=5(t_0)^2に注意すると
(f'(t_0))^2+(g'(t_0))^2=100/(2cosαsinα)-100(t_0)^2+100(t_0)^2
=100/(2cosαsinα)
=100/sin2α
これが最小になるのはsin2α=1⇔α=π/4の時。
でもこれは物体は投げた時の速度と、もう一回地面に落ちてくる時の速度は同じとか、地面から45°の方向に投げると一番遠くへ飛ぶと言う当たり前の話を証明させているだけで、高校物理の最初の方に習います。
vを最小にするαは?って言うことは、見方をかえると最小の速さvで距離10まで飛ばせる角度αは?って言う意味でもあるから、α=π/4の時に一番遠くまで飛ぶってことやねんな。
ただ、ちょっとうへ~ってなってたら気づかずにぶーわー計算して、わけわからん値が出てきて消しゴムで消してたら解答用紙がビリ!なって終わった!何もかも終わった!って隣の人に消しゴム投げつけて試験会場が追い出されて人生変わってまうねんけどな。
まあ一回落ち着けって話や。
こういう簡単な問題もあるわけやねんから。

だからこれは物理的に言うと重力加速度を10として、y軸を鉛直上方向に正として原点からx軸正方向に角度αの向きに初速度vで投げた運動やから、t=t_0でy=0つまり地面に到達するから、その時の速さ
√(f'(t_0))^2+(g'(t_0))は投げた時と同じで速さvなわけで、
それを踏まえると
x方向の速度は
f'(t)=vcosα
で常に一定でy方向の速度はy=g(t)の二次関数を考えるとg(t)=0の解はt=0,t_0やから図形的に明らかにt=0とt_0での接線の傾きの大きさは同じで
g'(t_0)=g'(0)=vsinα
よって
(f'(t_0))^2+(g'(t_0))=(f(0))^2+(g'(0))
=(vsinα)^2+(vcosα)^2=v^2
で次にx=f(t)とy=g(t)からt消去して軌跡を求めて
y=(tanα)x-(5/(vcosα)^2)x^2
=-(5/(vcosα)^2)x(x-v^2sinαcosα/5)
よりy=0とすると、x=0,v^2sinαcosα/5だから
10=v^2sinαcosα/5⇔v^2=100/(sin2α)
⇔(f'(t_0))^2+(g'(t_0))=100/(sin2α)
と結構見通しがよくなります。
でも昔の問題は簡単やなあ。
ちょうど学生運動やってた時代か。
昔の東大生を今の東大生と並べて考えたら今の東大生に失礼かもしれんな。
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