どうも読者に京大を目指してる人も結構いるみたいやから、今日は京大の過去問です。
京大はオレが入った時(2001年度…ぶへらっ)にはまだ難しかったらしいですが、2003年以降どんどん簡単になっていって2007年から難易度が少し上がったらしいので、まずはここ2年の問題を解説してきたいと思います。
京大は問題が非常によく練られてて数学的センスを問いてくる良問になってるのが特徴です。
2007年の理系乙の1番の基本問題みたいなやつです。
勉強するのに非常に良い問題なのでどの大学志望でもみんなやってほしいです。
[問題]

問1,定積分∫[0,2]{(2x+1)/√(x^2+4)}dxを求めよ
問2,1歩で1段または2段のいずれかで階段を昇るとき、1歩で2段昇ることは連続しないものとする。15段の階段を昇る昇り方は何通りあるか。
[解答・解説]
問1は単に積分の計算をちゃんと勉強したかって話です。
問題としては積分の計算を勉強するのに本当によく出来たかなりの良問だと思います。
積分に必要な知識、経験を良いバランスで使うように出来ています。

ぱっと見た感じは√(x^2+4)が目に付きます。
これはアヒルちゃんがなんか間違えたこと言うてますが、√の中が二次式の時、まずは平方完成をして
√(a^2-x^2)型の時は、x=asinΘ
√(x^2-a^2)型の時は、x=a/cosΘ
√(x^2+a^2)型の時は、x=atanΘ
と置換します。
前にも東大の問題でこの√の中が二次式の積分で同じこと書きましたが、その時に覚えられなくても先に進めることでこうやって同じような問題が出て自然と覚えられるようになるって言うのはこういうことです。
この場合は√(x^2+a^2)型なのでx=2tanΘと置きます。
√(二次式)の積分にまとめてます。
√x^2=|x|なので√(1/cosΘ^2)をはずす時は気を付けてください。
この積分区間では正なのでそのまま外れます。
整理していきます。
こういう三角関数が入った積分はだいたい
∫f(sinΘ)cosΘdΘとか∫f(cosΘ)(-sinΘ)dΘみたいな形にしてsinΘ=tと置換してcosΘdΘ=dtで∫f(t)dtとなるように考えると上手くいきやすいです。
もっと簡単に言うと
sinだけの式×cosΘ
または
cosだけの式×sinΘ
にします。
tanΘもsinΘ/cosΘなので-(1/cosΘ)×(-sinΘ)と言うように、cosだけの式×sinΘの形に元からなってるから1/xの積分です。
と言うことでまずはcosΘとsinΘだけにします。

前のsinΘ/cosΘ^2はすでに-1/cosΘ^2×(-sinΘ)でcosだけの式×sinになってます。
後ろは1/cosΘなので、とりあえずcosΘ^2=1-sinΘ^2なので分母分子にcosΘをかけます。
すると1/(1-sinΘ^2)×cosΘでsinだけの式×cosになります。
だからこれは1/(1-x^2)の積分です。
この積分は分数の積分でよく使う部分分数
1/(1-x^2)=1/2{1/(1-x)+1/(1+x)}
を使います。
最後のlogは計算に慣れてないと、どうやったらこの形になるねんってよくしばきまわされてる先生がいますがこの場合は分母を有理化するとまとまります。
結構最後のこのlogを綺麗にまとめるの苦戦しますが、まあ積分さえ出来たらたぶん別にええと思います。
なんでこんな綺麗に見えるとか意味の無いことに拘るのか思いますが、なんか数学を長年やってると
(a-b)(b-c)(a-c)
を見たら、
-(a-b)(b-c)(c-a)
って書き直す以外に道が無くなってしまう病気になります。
もうおられへんねん。
それで高1の因数分解の練習問題してる子が問題集の答え見て、なんで(a-b)(b-c)(a-c)じゃだめなんですか?
ってしばいてくるパターンを今まで何回見てきたか。
と言うことでこの積分は暗記してしまってもいい程、勉強になる良い問題です。
計算も簡単やしな。
さて問2です。
どういう基準で数えあげていくか考えると、
1段昇ったのは何回かって基準で考えると、例えば8回なら残り7階になるからこれを2段ずつ昇ると話がおかしなことになります。
最後で階段無いのに昇ろうとしてガクってなって親指に全体重をかけて倒れて剥離骨折をしてしまいます。
ぼーって階段昇ってると、よくありますよね。
と言うことで次は2段ずつが何回かって基準で考えるとこれはうまくいきそうです。
一段を○
二段を×
と表記して実際に全部書いてみましょう。
テストで85通りって答えがなるやつを全部書き下した子がクラスにいて、みんなからおまえあほやろ言われてましたが結構それは大切です。
そういう子は意外と難問になると強いと思います。
まずは×が0個の時は、○が15個必要です。

これはもう一通りですね。
×が1個の時は、階段は後13段なので○は13個です。
×を入れるところは○と○の間と両端の14箇所です。
14通りですね。
×が2個の時は、○は11個です。
×を入れるところは○と○の間と両端の12箇所です。
この12箇所に2個×を入れる方法は、12個から2個選ぶ組み合わせ12C2通りです。
×が3個の時は、○は9個です。
×を入れるところは10箇所です。
この10箇所に3個×を入れる方法は、10個から3個選ぶ組み合わせ10C3通りです。

全部書いていきます。
15段って数字は小さいので全部書くのは容易です。

×6個は×が二個連続して続いてしまうのでもうここで無理です。
全部たして答えです。
こうやって全部書き出すと法則がわかってきます。
だからもっと一般的に×がk個の時は○は15-2k個必要で、×を入れる場所は15-2k+1=16-2k箇所です。
これからk個選んで16-2kCk通り。
で、16-2kより×の個数kが多いと二個連続してしまうから
16-2k≧kより16/3≧kでkは5以下です。
よって答えは
Σ(k=0~5)16-2kCk
と、一般的に文字で出来るようになってきます。
こういうことをやるには、具体的に書き出していってからわかってくるもので、それが慣れてくるといきなり出来るようになってくるわけです。
つまりこの問題はわざと微妙に書き出しても出来るように作ってて、具体的に書き出してるうちに一般性が見えてくると言う数学的な思考を教えてくれてるのです。
いや、全然違うかもしれへんけどな。
更にn段の時も考えて式を立ててみましょう。
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