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京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

図形問題、東京工業大学2008年度前期数学の第4問の解説
はうあっ!
東京工業大学2008年度前期数学の第4問、図形問題いっときます。


[問題]
090124_m1.jpg
平面の原点Oを端点とし、x軸となす角がそれぞれ-a,a(ただし0<a<π/3)である半直線L1,L2とする。L1上に点P、L2上に点Qを線分PQの長さが1となるようにとり、点Rを直線PQに対し原点Oの反対側に△PQRが正三角形になるようにとる。

(1)線分PQがx軸と直交するとき、点Rの座標を求めよ。

(2)2点P,Qが線分PQの長さを1に保ったままL1,L2上を動くとき、点Rの軌跡はある楕円の一部であることを示せ。

[解答と解説]
(1)
090124_m2.jpg
まず図を書く以外に道がありません。

図を書く以外に道がありません。

図を書く以外に道がありま…もうええわ!


図を書くとRのy座標は0でx座標はORの長さを求めればよいことがわかります。
するとPQとx軸との交点をHとすると
OR=OH+HR
となっていて、HRは一辺の長さ1の正三角形の高さなのでcos(π/6)=(√3)/2です。
OHは△OHQを見ると、tan(a)=QH/OHだからQH=1/2・PQ=1/2なので
OH=1/(2tan(a))
だとわかりました。

だから
OR=1/(2tan(a))+(√3)/2
とわかってR(1/(2tan(a))+(√3)/2,0)とわかりました。

図を書くこと初頭幾何っぽく求める方針がたちます。


(2)
090124_m3.jpg
(1)が初頭幾何でやったのに対して、こっちはどうも計算バリバリでやりそうな感じです。
どうやってパラーメーターを定めるか?極形式を使ったほうが簡単なのか?とか色々と悩みますが、まずはやってみないとどうしようもないので普通にPとQの座標を文字でおいてやってみます。

L1:y=-(tan(a))x
L2:y=(tan(a))x

だからp>0,q>0としてP(p,-(tan(a))p),Q(q,(tan(a))q)と置けます。


PQ=1より
(p-q)^2+(p+q)(tan(a))^2=1

これは展開する理由がないので、とりあえず他の式がどうなるのか様子を見てこのままにしときます。

こういう展開したらややこしくなりそうなのは、まずはそのままにしとくもんです。

後は点R(x,y)とおいてRの座標をp,qで表したいわけですが、一次変換を使って

QP→をπ/3回店すればQR→

で求めるのが簡単だと思います。


こういう数学3Cの定石は使いまくります。
行列の計算は写真を見てもらって、

計算すると
(x,y)=((p+q)(1/2+(√3)tan(a)/2),(p-q)((√3)/2-tan(a)/2))

これからp+qとp-qがx,yで表せるのでさっきの式は

(p-q)^2+(p+q)(tan(a))^2=1

だから、p-qとp+qで考えたらよさそうです。

p+q,p-qをx,yで表すには
1/2+(√3)tan(a)/2
(√3)/2-tan(a)/2
が0でないことを断っておかないと割れません。

そこで0<a<π/3が効いてきます。


0<a<π/3の条件はどこで使うんや?とか思いながらやってください。

だから
0<tan(a)<√3

1/2+(√3)tan(a)/2≠0
(√3)/2-tan(a)/2≠0

だから

p+q=x/(1/2+(√3)tan(a)/2)
p-q=y/((√3)/2-tan(a)/2)

です。

090124_m4.jpg
これを
(p-q)^2+(p+q)(tan(a))^2=1
に代入したら楕円には楕円なんですが、p,qなどの文字を消去する上で注意して欲しいのはp>0,q>0とかるので注意してください。

だから今までのp,q,x,yの関係式を全部書いて整理して

p>0
q>0
p+q=x/(1/2+(√3)tan(a)/2)
p-q=y/((√3)/2-tan(a)/2)
(p-q)^2+(p+q)(tan(a))^2=1



p>0
q>0
p+q=x/(1/2+(√3)tan(a)/2)
p-q=y/((√3)/2-tan(a)/2)
{x/(1+√3(tan(a)))/(2tan(a)))}^2
+{y/(√3-tan(a))/2)}^2=1

となりましたがp,qを消去するときはp>0,q>0をx,yで表すのは至難の業です。。


一応問題は、楕円の一部になることを証明しろってことなので

楕円
{x/((1+(√3)tan(a))/(2tan(a)))}^2
+{y/((√3-tan(a))/2)}^2=1

p>0
q>0
p+q=x/(1/2+(√3)tan(a)/2)
p-q=y/((√3)/2-tan(a)/2)
を満たす部分と言うことで良いと思います。


ただ、一つ気になるのが楕円は円を含むのかどうかです。

もし楕円と円は違うなら、

(1+(√3)tan(a))/(2tan(a))=(√3-tan(a))/2

とすると、こうなれば円ですが整理すると

(tan(a))^2+1=0になってtan(a)はもちろん実数なので矛盾するから円になりません。


しかし、円は楕円の一種とも見ることも出来るし断るべきなのかどうかは不明です。

まあきっと点数には関係ないと思います。

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