夏休みも終わって二学期がはじまりますが
色々と終わりを迎えました
勉強の方はどうですか?
東京大学2013年度の文系第二問の解説を書きます
これは数学Cの二次曲線との関係について質問がよくあるからな
[問題]

座標平面上の3点P(0.-√2),Q(0,√2),A(a,√(a^2+1))(0≦a≦1)を考える
(1)2つの線分の長さの差PQ-AQはaによらない定数であることを示し、その値を求めよ
(2)Qを端点としてAを通る半直線と放物線y=(√2)/8・x^2との交点をBとする。点Bから直線y=2へおろした垂線と直線y=2との交点をCとする。
このとき、線分の長さの和PA+AB+BCはaによらない定数であることを示し、その値を求めよ。
[解答と解説]
これは数学Cでやる二次曲線の性質を知っていると、見通しはかなりよくはなります。
二次曲線の性質を知らずに解く現実的なちゃんとした解答は後から紹介するとして
まずはせっかくなんでどういう背景かを説明したいと思います
双曲線

双曲線はよく習う基本的なものは
x^2/a^2-y^2/b^2=1
や
x^2/a^2+Py^2/b^2=-1
とかです
それで焦点とかの概念があり
焦点をA,Bとすると
|AP-BP|=2a
や
|AP-BP|=2b
と言うように、2つの焦点からの距離が一定となる点の集まりやねん
イメージはこんなんやな

この双曲線上の点から
2つの焦点に向かって同じ速さで向かっていくと
オウ
オウ
って言うこのオウの時間差がいつでも同じになるねん

だから(1)とかではA(a,√(a^2+1))はaを媒介変数やと思って
x=a,y=√(a^2+1)でa消去すると
双曲線上
x^2-y^2=-1上にあることがわかって
焦点は1+1=2やから
(0,±√2)
よりP,Qはこの双曲線の焦点になっています
と言うことはPA-AQは二つの焦点からの距離の差やから
PA-AQ=2・1=2
ってすぐにわかります
次は放物線

放物線は
y^2=4pxとx^2=4py
の形が数学Cで習う基本的な式ですが
準線と焦点の概念があり
放物線は
この準線と放物線との距離が等しくなるような点の集まりです
イメージとしては

放物線上の点から準線と焦点に向かって
同時に同じ速さで進むと
オウ!
って同時につきます
だから(2)では

y=(√2)/8・x^2
は
x^2=4√2y
で準線はy=-√2
焦点(0,√2)
で
Qは焦点になっています
(1)から
PA=2+AQですが
PA+AB+BC=2+AQ+AB+BC
=2+QB+BC
放物線の性質からBから準線に垂線BHを引いて
QB=BHになるから
2+QB+BC=2+BH+BC
=2+HC
=4+√2
とわかります
しかし
そもそも文系の問題で数学Cをやってる人が少ない
理系で数学Cをやってても二次曲線の性質なんか覚えてないしほとんど問題でない
と言うことから何も知らずに解くのが現実的やな
東大らしい複雑な処理を勉強すればええねん。
数学Cが出る、うへ~!!って膨大な時間かけても
普通、そんな数学Cなんか余りでないわけです
でも東大らしい複雑な処理を繰り返してやって要領を身につけるとどんな問題のパターンにも通用します
だから敢えて出来るだけ計算ごり押しで進めていく方針できます
まず普通に計算してみると

PA-AQ=√(a^2+(√(a^2+1)+√2)^2)-√(a^2+(√(a^2+1)-√2)^2)
といつもように血を吐きそうになりますが
吐くにはまだ…7分早いとこやな
問題にaによらない定数であるって書いてるねんから
簡単になるはずです
と言うことは二重根号が外せるはずです
(1)の解答

後は計算をしていくと二重根号を外して
AP=√(2a^2+1)+1
AQ=√(2a^2+1)-1
となります
0≦a≦1の範囲から√(2a^+1)と1との大小関係ははっきりさせて
|√(2a^2+1)-1|
をはずしてください
そしたら
PQ-AQ=2となります
だから数学Cよりも数学1の二重根号を繰り返した方がええとこやな
(2)

やっぱ(1)を使うはずやから
PA=2+AQ
より
PA+AB+BC=2+AQ+AB+BC
やな
この(1)を使うはずってことを覚えてください
それで図を書いてみるるAQ+AB=QBやな
だから
2+BQ+BCを求めたらええことなります
それでここで

放物線の性質からQが焦点になってるからB(b,(√2/8)b^2)
と置いてA(a.√(a^+1))の構造とか関係なしに華麗に解けます
でもここは知らないと仮定すれば
ごり押しで解くことになるので
あえてa関係あると思ってごり押しで計算してみます
やっぱ華麗な解答よりも泥臭い計算をやりきる力がどの場面でも
影響して底力を上げます
安定的によい点数がとれる人は
計算力や処理能力があるから運に左右されずに
しょうもない解法でどうアプローチしてもだいたいいいとこまで解けたりするわけやな
(2)の解答いきます

Bの位置を軽く知りたいので
0≦a≦1から
1≦√(a^2+1)≦√2
でQよりy座標が下になるようにAを書いておけばええかな
そしたらCよりBの方が下になるしな
それでさっき書いたように
PA+AB+BC=2+QB+BC
それでここはごり押しなんで普通に
直線QAを求めて放物線の交点を求めると
QA:y=(√(a^2+1)-√2)x/a+√2
y=(√2)/8・x^2
これで膨大な計算をすると(1)と同じ形の二重根号が解にあらわれて
x=2√2(√2+1)(√(a^2+1)-1),2√2(-√2+1)(√(a^2+1)+1),
これは死ぬな

これでBは交点のうちx座標が大きいほうやから
x=2√2(√2+1)(√(a^2+1)-1),
で長すぎるから
b=2√2(√2+1)(√(a^2+1)-1),
とおきます
これは計算でよくやるテクニックですね
B(b,(√2)/8・b^2)
になって
QB=√(b^2+((√2)/8・x^2-√2)^2)
これで出来るだけ整理して追い詰められてからaの式を代入するのが
処理の仕方です
すると
QB=(√2/8)(b^2+1)
って根号が外れました
もう
BC=2-(√2)/8・b^2
やから
2+QB+BC=2+(√2/8)(b^2+1)+2-(√2)/8・b^2
=4+√2
と求まりました
結局
b=2√2(√2+1)(√(a^2+1)-1),
関係ないやん!
って言う話やけど、まあ一応それは計算してからわかることやからな
解答には書かんでええとこやな
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