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受験数学かずスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

確率の問題、大阪大学2009年度文系の第3問の解説
今日はもうやめとこ思ってたけど、なんもやることないから書いてもた。

数学から逃れられん運命なんかもしれんな。

大阪大学2009年度文系の第3問の問題


[問題]
090329_m1.jpg
次のような、いびつなさいころを考える。1,2,3の目が出る確率はそれぞれ1/6,4の目が出る確率はa,5,6の目が出る確率はそれぞれ1/4-a/2である。ただし,0≦a≦1/2とする。
このさいころを振ったとき、平面上の(x,y)にある点Pは、1,2,3のいずれかの目が出ると(x+1,y)に、4の目が出ると(x,y+1)に、5,6のいずれかの目が出ると(x-1,y-1)に移動する。原点(0,0)にあった点Pが、k回さいころを振ったときに(2,1)にある確率をp_kとする。

(1)p_1,p_2,p_3を求めよ。
(2)p_6を求めよ。
(3)p_6が最大になるときのaの値を求めよ。



[解答と解説]
数直線上で最初原点にあった点Pが、奇数が出たら正方向へ1移動、偶数が出たら負方向へ1移動みたいな問題の二次元版です。

そしたらもう、いいですね。


そうかあ、お母さんが病気で寝てるからわからへんか。


090329_m2.jpg

1,2,3の目が出る確率は3×1/6=1/2で1,2,3の目が出る回数をs回とおきます。
4の目が出る確率はaで、4の目が出る回数をt回とおきます。
5,6の目が出る確率は2×(1/4-a/2)=1/2-aで5,6の目が出る回数をu回とおきます。

それで全部でk回やから
s+t+u=k
で1,2,3の目が出たらx正方向に1、
4の目が出たらy正方向に1、
5,6の目が出たらx負方向に1,y負方向に1移動するから

(s-u,t-u)

移動したことになって、(2,1)に移動するには

s-u=2
t-u=1
s+t+u=k



s=k/3+1
t=k/3
u=k/3-1

やから、s,t,uが存在するにはkが3の倍数の時なわけや。


だからp_kは反復試行の確率を考えて

kが3の倍数でないときは0
kが3の倍数の時k!/s!t!u!・(1/2)^s・a^t・(1/2-a)^u
(s+t+u=k)

ってやるのがお決まりなわけやな。


数直線上を移動するやつの解法を覚えてたら、スムーズに出来ると思います。


(1)
090329_m3.jpg
p_1とp_2は3の倍数ちゃうから0
p_3はs=2,t=1,u=0で
p_3=3!/2!1!0!・(1/2)^2・a^1・(1/2-a)^0=3a/4

もう一瞬ですわ。

お母さんも寝床で喜んでるわ。


(2)p_6はs=3,t=2,u=1の時で
p_6=6!/3!2!1!・(1/2)^3・a^2・(1/2-a)^1
=15a^2(1-2a)/4

(3)これえはp_6がaの三次関数やから微分する以外に道がありません。
もうhave no choice but to 微分や。

そんなキャラじゃなかったような。


p_6'=15(2a-6a^2)/4
=-15a(3a-1)/2

それで増減表を書くわけや。

090329_m4.jpg

グラフを書いてa=1/3で最大になるってことがわかります。
まあグラフ書かなくても増減表でわかるからええけどな。


そしたら、お母さんによろしく言うといてくれ。

お母さんを…大切にするんやぞ。

大阪大学の入試の数学の過去問の解説

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ベクトルの問題、大阪大学2009年度文系の第2問の解説
今、アサガオに水をやってたら、ツタが手に絡み付いてきて…の気分や。


ええからはよ解説しろ!

大阪大学2009年度文系の第2問の解説。



[問題]
090328_m1.jpg
平面上の3角形OABを考え
a→=OA→,b→=OB→,t=|a→|/2|b→|
とおく。辺OAを1:2に内分する点をCとし、OD→=tb→となる点をDとする。AD→とOB→が直交し、BC→とOA→が直交するとき、次の問いに答えよ。
(1)∠AOBを求めよ。
(2)tの値を求めよ。
(3)ADとBCの交点をPとするとき、OP→をa→,b→を用いて表せ。



[解答と解説]
(1)
090328_m2.jpg

まさにベクトルの定石中の定石的な問題で、しっかりベクトルの解法を一通りマスターしていれば確実に点になります。

まず条件をひとつひとつ式にあらわしていきます。
辺OAを1:2に内分する点をCよりOC=1/3・a→

AD→とOB→が直交よりAD→・OB→=0で始点をOに揃えていって
(OD→-OA→)・OB→=0

(tb→-a→)・b→=0

|a→||b→|/2=a→・b→…①

BC→とOA→が直交よりBC→・OA→=0で始点をOに揃えていって
(OC→-OB→)・OA→=0

(1/3・a→-b→)・a→=0

|a|^2/3=a→・b→…②

って機械的に式にしていくねん。


これでa→・b→=|a→||b→|cos∠AOBだから①より
|a→||b→|cos∠AOB=|a→||b→|/2

cos∠AOB=1/2
より∠AOB=π/3

(2)①,②より

|a→||b→|/2=|a|^2/3

|b→|=2|a→|/3

でt=|a→|/2|b→|=3/4


よし、ここまでええみたいやな。

(3)
090328_m3.jpg

これこそ、あれやな。
テフロン加工みたいなもんやな。

どういう意味やねん。


もうこんなん身体で覚えとくんがコツなわけや。

点PはBC上よりαを実数として

OP→=αOB→+(1-α)OC→
=αb→+(1-α)/3・a→…③

点PはAD上よりβを実数として

OP→=βOA→+(1-β)OD→
=βa→+3(1-β)/4・b→…④

と二通りにあらわして、a→とb→は一次独立だからとかお決まりの言葉を書いてa→とb→の係数を比較して

a→の係数
α=3(1-β)/4

b→の係数
(1-α)/3=β

これを解いて

α=2/3
β=1/9

でこれをどっちでもいいから代入して

OP→=1/9・a→+2/3・b→


これはぜひやり方自体を暗記して、何も考えずに解けるようになったってください。

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微分の問題、大阪大学2009年度文系の第1問の解説
今日は暑くて汗だらだら出るということは。


意味わからんところで終わるなって話しやなこれ。

大阪大学2009年度の文系の第1問の解説いきます。


[問題]
090327_m1.jpg
曲線C:y=x^3-kx(kは実数)を考える。C上に点A(a,a^3-ka)(a≠0)をとる。次の問いに答えよ。
(1)点AにおけるCの接線をl_1とする。l_1とCのA以外の交点をBとする。Bのx座標を求めよ。
(2)点BにおけるCの接線をl_2とする。l_1とl_2が直交するとき、aとkがみたす条件を求めよ。
(3)l_1とl_2が直交するaが存在するようなkの値の範囲を求めよ。



[解答と解説]
(1)
090327_m2.jpg

l_1の方程式を求めて、Cとの交点を求めていきます。

l_1の方程式はオッケーかな?

はい、オッケーやな。

x=aにおける接線l_1の求め方はf(x)=x^3-kxとおくと
f'(x)=3x^2-k
だから
l_1:y=f'(a)(x-a)+f(a)
=(3a^2-k)(x-a)+a^3-ka
=(3a^2-k)x-2a^2

それでC:y=f(x)との交点のx座標を求めるにはy消去すればいいわけですが、二つの関数の差を考えると交点だけでなく大小関係までわかるので他の問題に応用がききやすいです。
まあこの問題は別に大小関係はいらんからええねんけどな。

C-l_1=x^3-kx-{(3a^2-k)x-2a^2}
=x^3-3a^2x+2a^2
=(x-a)^2(x+2a)

l_1はCにx=aで接するから(x-a)^2で因数分解できることを考えると簡単に出来ると思います。

だから交点のx座標はx=a,-2aでa≠0だからa≠-2aと一応違う値であることを言及しておいてBのx座標はx=-2aになります。


(2)
2直線が直交する時は、
傾きがそれぞれm,nの時はmn=-1とx=定数,y=定数の時です。

この問題ではl_1の傾きが0の時は、l_2はx=定数の形の直線にならなあかんわけやけど、l_2はx=-2aにおける接線の傾きのことでf'(-2a)=12a^2-kやからx=定数の形になることはありえへんねん。

だから
f'(a)f'(-2a)=-1
の場合だけでよくて

(3a^2-k)(12a^2-k)=-1

36a^4-15a^2k+k^2+1=0

(3)
090327_m3.jpg

l_1とl_2が直交するaが存在するようなkの値の範囲を求めよ。

こんな書き方されると、36a^4-15a^2k+k^2+1=0を満たすaが存在すればええことがすぐにわかって親切な書き方やな。

ただl_1とl_2が直交するようにaが動く時kの範囲を求めよって書かれたら、
k=15a^2±√(81a^4-4)/2
ってaを動かそうとして、うへ~ってわけわからんことなって横の受験生に消しゴム泣けつけることになります。

そこでaを動かすんじゃなくて、aが存在するようなkの値の範囲を求めるって考えると逆像法とか逆手流とかよく言うねんけど簡単にkの範囲が求まります。


この問題は元々そうやって逆像法の書き方をしてるから、自然と定石が使いやすく誘導されてるねん。

36a^4-15a^2k+k^2+1=0…?を満たすaが存在するようなkの範囲を求めればよくて、a^2=Xとおくと
36X^2-15kX+k^2+1=0…?
でa≠0だからX=a^2>0より?がX>0で解を持てばええことになります。

二次関数の解の配置問題やってやつやな。

だから
g(X)=36X^2-15kX+k^2+1
とおくとY=g(X)がX>0の部分でX軸と交わるような条件を求めたらええってことなります。

なんか色々とややこしい場合わけをせなあかん感じがするけど、キーとなるX=0の値が
g(0)=k^2+1>0
と正になるから、後は判別式D≧0と軸5k/24>0の場合だけです。

D≧0⇔225k^2-144k^2-144≧0
⇔81k^2-144≧
⇔(3k-4)(3k+4)≧0
⇔k≦-4/3,4/3≦k

で5k/24>0は単にk>0だからあわせて

k≧4/3であればオッケーで、この時36a^4-15a^2k+k^2+1=0を満たすaが存在する、つまりはl_1とl_2が直交するaが存在します。

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