確率の問題、京都大学2009年度文系理系甲共通の第1問の問2の解説 |
今からそこそこピンク色の服着て京都大学2009年度文系と理系甲共通の第1問の問2を解説します。
[問題]
白球と赤球の入った袋から2個の球を同時に取り出すゲームを考える。取り出した2球がともに白球ならば「成功」でゲームを終了し、そうでないときは「失敗」とし、取り出した2球に赤球を1個加えた3個の球を袋にもどしてゲームを続けるものとする。最初に白球が2個、赤球が1個袋に入っていたとき、n-1回まで失敗しn回目に成功する確率を求めよ。ただしn≧2とする。
[解答と解説]

こういう問題は1回目,2回目って具体的にまずやってみます。
1回目球の取り出し方の総数は3_C_2通りで成功は白球2個の1通りだから1/3C2
失敗はその余事象で1-1/3_C_2
そして1回目失敗したとします。
この条件で
2回目の球の取り出し方は赤球が1個増えてるから4C2通りで成功は白球2個の1通りだから1/4_C_2
失敗はその余事象で1-1/4_C_2
2回目まで失敗したとします。
この条件で
3回目の球の取り出し方は赤球が1個増えてるから5C2通りで成功は白球2個の1通りだから1/5_C_2
失敗はその余事象で1-1/5_C_2
ずっと同じようにやってk-1回目まで失敗したとします。
この条件で
k回目の球の取り出し方は球はk+2個あるから(k+2)_C_2通りで成功は白球2個の1通りだから1/(k+2)_C_2
失敗はその余事象で1-1/(k+2)_C_2
とわかりました。
これでだいたい、解き方がわかってきました。
えっ?解き方がわかったって?
そうかあ、そしたら今日はパンを手で擦りまくって黒くなったやつサンドイッチやるわ。

解答にしていくと
1回目成功は1/3_C_2で失敗する確率は1-1/3_C_2=2/3
k≧2の整数kに対して
k-1回目まで失敗した条件の元で
k回目成功するのは1/(k+1)_C_2で失敗するのは1-1/(k+2)_C_2
これをもうちょっと整理して
1-1/(k+2)_C_2={k(k+3)}/{(k+2)(k+1)}
よって求める確率は
2/3・((2・5)/(4・3))・((3・6)/(5・4))・((4・7)/(6・5))
…((n-1)(n+2)/((n+1)n))・1/(n+2)_C_2
=2/3・2/4・(5/3・3/5)・(6/4・4/6)
…((n+1)/(n-1)・(n-1)/(n+1))・(n+2)/n・2/(n+2)(n+1)
=2/(3n(n+1))
と求まりました。
最後の計算は1になる組を上手に作る方法以外にもっと機械的に
{(n-1)!(n+2)!/3!}/{(n+1)!/2!・n!}・1/(n+2)_C_2
とやったら約分しやすくなります。
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空間ベクトルの問題、京都大学2009年度文系の第1問の問1の解説 |
今からピンクの服を着て京都大学2009年度文系第1問の問1の解説をします。
[問題]
問1

xyz空間上の2点(-3,-1,1),B(-1,0,0)を通る直線lに点C(2,3,3)から下ろした垂線の足Hの座標を求めよ。
[解答と解説]

一つ一つ条件を式に表していって機械的に解くのがベクトルのコツです。
まず点Hは直線上にある条件からはtを実数として
OH→=tOA→+(1-t)OB→
=(-3t,-t,t)+(t-1,0,0)
=(-2t-1,-t,t)
とあらわせます。
CH→⊥AB→って条件からは
CH→・AB→=0
⇔(OH→-OC→)・(OB→-OA→)=0
⇔(-2t-1-2,-t-3,t-3)・(-1+3,0+1,0-1)=0
⇔(-2t-3,-t-3,t-3)・(2,1,-1)=0
⇔-4t-6-t-3-t+3=0
⇔t=-1
これを
OH→=(-2t-1,-t,t)
に代入したらHの座標がわかるから
H(1,1,-1)
です。
始点を揃える変形は何も考えずに
CH→=OH→-OC→
後ろから前を引くです。
この変形は意味を考えると言うより九九みたいに身体で覚えてください。
もちろん腕に
CH→=OH→-OC→
って入れ墨を入れるとかそういう意味ちゃいますよ。
そんなんしたら、大学に入ったらテンソルの普遍性とかにしといたら良かったとか後悔するのは目に見えてます。
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互いに素の整数問題、京都大学2009年度理系乙の第6問の解説 |
ビール瓶で殴られる京都大学2009年度理系乙の第6問、整数問題の解説やります。
[問題]

aとbを互いに素、すなわち1以外の公約数を持たない正の整数とし、さらにaは奇数とする。正の整数nに対して整数a_n,b_nを(a+b√2)^n=a_n+b_n√2をみたすように定めるとき、次の(1),(2)を示せ。ただし√2が無理数であることは証明なしに用いてよい。
(1)a_2は奇数であり、a_2とb_2は互いに素である。
(2)すべてのnに対して、a_nは奇数であり、a_nとb_nは互いに素である。
[解答と解説]
(1)
(a+b√2)^2=a^2+2b+2ab√2
だからa_2=a^2+2b,b_2=2abです。
a_2が奇数であることはa^2が奇数、2bが偶数で奇数+偶数=奇数だから奇数です。
ここは部分点とっときたいとこやな。
a_2とb_2が互いに素であることを証明せよって問題は整数問題になれていないと互いに素って聞いただけで目ん玉飛び出して目にウィルスが入って角膜移植せなあかんことになります。
使うことは
「二つの自然数が互いに素である」⇔「二つの自然数が素因数を持たない」
素因数とは…素数である公約数。
そして証明の仕方は本当はa_2とb_2が共通な素因数pを持つと仮定してa_2=pi,b_2=pj(i,jは正の整数)と文字を置いて矛盾を導くのがコツなんですが、ただちょっと今回は文字を置いていては文字が多くなりすぎて大変なのでそこは避けるとします。
だけど本当は文字を置いた方がいいって思っててください。
a_2とb_2が共通な素因数pを持つと仮定するとa_2は奇数よりp≧3。
b_2=2ab
だからpは2ではないしpは素数だから分けらなれないのでaかbどっちかがpの倍数です。
aがpの倍数の時、
a_2=a^2+2b^2⇔2b^2=a_2-a^2
これは右辺はpの倍数です。
だから2b^2もpの倍数でpは3以上の素因数だからbはpの倍数で、aとbがpの倍数になって互いに素なことに矛盾します。
同じようにして
bがpの倍数の時、
a_2=a^2+2b^2⇔a^2=a_2-2b^2
で右辺がpの倍数だからa^2もpの倍数でpは素因数だからaがpの倍数です。
だからこれも矛盾です。
互いに素であることはこのようにして示します。
これは解けるようになって置きたいところで、解けなかったらこの問題をまず覚えてください。
こうやって互いに素であることを示すには共通な素因数を持つと仮定して矛盾を導いてやる方法でだいたい解けます。
この証明の仕方は覚えていてください。
(2)

(2)はちょっとレベルが高すぎるかもしれませんが一応解説します。
数学的帰納法を使おうとすると
(a+b√2)^(k+1)=(a+b√2)(a_k+b_k√2)
=aa_k+2bb_k+(ab_k+ba_k)√2
だから
a_(k+1)=aa_k+2bb_k
b_(k+1)=ab_k+ba_k
になるわけですが
b_(k+1)がさっきみたいに2abみたいな形になりません。
だから互いに素であることを示すのがかなり困難です。
これはaとa_k、bとb_kが同じようになるようにすればよいから
例えばkが2の倍数なら
(a+b√2)^k=(a+b√2)^(k/2)(a+b√2)^(k/n)
=(a_(k/2)+b_(k/2)√2)^2
となってa_(k/2)が奇数で、a_(k/2)とb_(k/2)が互いに素であると仮定してたらa_kは奇数でa_kとb_kが互いに素であることが(1)と全く同じ方法で示せます。
これを使うと
a_(2^m)は奇数でa_(2^m),b_(2^m)は互いに素
を簡単に示すことが出来ます。
2^m項目はいいけど、他の項はどうなるかと言うと
ある整数n_0でa_(n_0)は偶数またはa_(n_0)と,b_(n_0)は2以上の公約数qを持つとすると
a_(n+1)=aa_n+2bb_n
b_(n+1)=ab_n+ba_n
この漸化式からa_(n_0)は偶数ならa_nはn≧n_0となる全ての整数nで偶数になってまうし、a_(n_0)と,b_(n_0)は2以上の公約数qを持つとするとこの漸化式からa_nと,b_nはn≧n_0となる全ての整数nで公約数q持つことがわかります。
ところがn_0に対して
2^m<n_0<2^(m+1)
となる整数mが存在するから、n=2^(m+1)で矛盾することになります。
だから数列のある部分列だけ証明すれば、数列全体を証明したことになります。
それを解答にしていきます。

「すべての自然数mに対してa_(2^m)は奇数でa_(2^m)とb_(2^m)は互いに素である」…(*)
(*)を数学的帰納法で示します。
(i)m=1の時
(1)より(*)成立
(ii)m=kで(*)成立を仮定すると
(a+b√2)^(2^(k+1))=(a_(2^k)+b_(2^k)√2)^2
=a_(2^k)^2+2b_(2^k)+2a_(2^k)b_(2^k)√2
だから
a_(2^(k+1))=a_(2^k)^2+b_(2^k)^2
b_(2^(k+1))=2a_(2^k)b_(2^k)
でなんか添え字とかややこしいですが、(1)と全く同じ形なので(1)より(*)は成立します。

(i)(ii)よりすべての自然数mに対して(*)成立。
ある自然数n_0に対して
a_(n_0)は偶数または
a_(n_0)とb_(n_0)は1より大きい公約数qを持つと仮定し矛盾を導くことを示します。
まず
(a+b√2)^n=(a+b√2)(a_n+b_n√2)
=aa_n+2bb_n+(ab_n+ba_n)√2
から
a_(n+1)=aa_n+2bb_n…①
b_(n+1)=ab_n+ba_n…②
でした。

(*)よりn_0は2の累乗ではいのでn_0に対して
2^(m_0)<n_0<2^(m_0+1)
となる自然数m_0が存在します。
a_(n_0)が偶数とすると①より右辺が偶数になるから帰納的にn≧n_0となるすべての自然数nでa_nが偶数になりますがn=2^(m_0+1)では(*)より奇数になるので矛盾。
またa_(n_0)とb_(n_0)が公約数qを持つとすると、①と②から右辺がqの倍数になるから帰納的にn≧n_0となるすべての自然数nでa_nとb_nは公約数qを持つことになるがn=2^(m_0+1)は(*)よりa_nとb_nは互いに素になるので矛盾します。
よってすべての自然数nでa_nが奇数で、a_nとb_nが互いに素であることが示せました。
こうやって数列のある部分列である命題が成り立てば数列の全部の項でも命題が成り立つって言う論法もあるってことを頭に入れておいてください。
参照→相加平均相乗平均の関係の証明の仕方
どこかで役に立つかもしれません。
そうは言ってもこの問題は、激ムズらしいから別にあんま気にしなくてええかもしれんな。
もう一つ、のやり方として普通にごちゃごちゃ示す方法があります。

a_nが奇数であることは簡単なのでa_nとb_nが互いに素であると仮定するとa_(n+1)とb_(n+1)が互いに素になることを示せば数学的帰納法からオッケーです。
だから
a_nとb_nが互いに素であると仮定して、a_(n+1)とb_(n+1)が素因数q(≧3)を持つと仮定して矛盾を証明します。
なんか数学的帰納法の仮定と背理法の仮定が混ざってますが、いいですか?ついてきてますか?
よし、大丈夫やな。
a_(n+1)=aa_n+2bb_n…①
b_(n+1)=ab_n+ba_n…②
で
①×b-②×a:
ba_(n+1)-ab_(n+1)=b_n(2b^2-a^2)…③
①×a-②×2b:
aa_(n+1)-2bb_(n+1)=a_n(a^2-2b^2)…④
a_nとb_nが互いに素で、左辺は両方qの倍数になってます。
だから
①,②⇔③,④
より(2b^2-a^2)がqの倍数でないとすると、b_nとa_nが両方qの倍数でないといけなくなるから矛盾します。
よって2b^2-a^2がqの倍数です。
これからどうやって矛盾を導くのかが難しいですが、他にやれることはこれは連立漸化式だからa_nだけの三項間漸化式とb_nだけの三項間漸化式に変形できるはずです。

それは②から
a_n=(b_(n+1)-ab_n)/b
でこれを①に代入してnにn-1を代入して
2ab_n=b_(n+1)+(a^2-2b^2)b_(n-1)
って関係式が出てきます。
同様にして
2aa_n=a_(n+1)+(a^2-2b^2)a_(n-1)
の式が出ます。
ここにa^2-2b^2の形が出てます。
これから二式とも右辺がqの倍数になってます。
だから二式とも左辺もqの倍数にならなければなりませんが、q≧3でaがqの倍数とすると
a^2-2b^2もqの倍数だからbもqの倍数となってa,bが互いに素なことに矛盾します。
よってaはqの倍数ではないとするとb_nとa_nがqの倍数になりますがこれもa_nとb_nが互いに素なことに矛盾します。
これで示せました。
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