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受験数学かずスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

数理物理
これは数学と物理の中間的な記事で大学の専門的な内容なので、あまり受験とは関係ありません。
興味があれば見てください。
物理と数学、両方に敬意を払っていて、数学的な思考で物理の発見がされたり、物理的な思考で数学の発見されたりすると言う信念に基づいて両方勉強してきました。
全然内容はしょぼいですが。

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量子力学とヒルベルト空間
原子の半径と不確定性原理の美しい関係
∫(0,∞)sin/xの値の求め方、複素積分の方法
複素数の物理的考察
量子力学の対称性

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複素数の物理的考察
何故原子核は陽子と中性子でできていますが、何故陽子はプラス同士で反発するのに固まってるんでしょうか。
これは実はちゃんと反発していて飛び出すことがあります。
それが一種の放射線です。

すごく簡単に言いすぎですが
粒子は複素数の波動が流れてて、その波動関数をΨとすると
|Ψ|^2
が実際その粒子が観測される確率と思ってください。

原子核は陽子同士など反発してますが、陽子や中性子の周囲にπ中間子という粒子が存在してて力が作用して結び付けています。
これを核力と言いますが、この核力が斥力より強く作用しているので陽子同士は結ばれています。

これがたまに本当に反発してα粒子と言ってα粒子であるHeの原子核が飛び出します。


しかし核力は強くα粒子はこの核力を振り切るだけのエネルギーを持ったから飛び出したわけではありません。

ここで簡単な一次元のモデルを考えて
核力をVのポテンシャル障壁と例えて、エネルギーEの粒子が入射するとします。
V>Eならこのポテンシャル障壁を越えることはありえなさそうですが、そうではありません。

このポテンシャル障壁を通り抜けていく向きに動く粒子の波動関数Ψは、Aを複素数の定数、pを運動量、hをディラック定数、iを虚数とすると、
Ψ=Ae^{i(p/h)x}
と表せます。(e^iΘ=cosΘ+isinΘ)

このポテンシャル障壁での運動量は
エネルギー=(運動量の二乗)/2m
から無理矢理表すと
p=√{2m(V-E)}i、(iは虚数)
です。
虚数になってしまいます。

波動関数に代入すると
Ψ=Ae^(i(p/h)x)=Ae^(-(√{2m(V-E)}/h)x)
とi×i=-1で位相のとこ(ここ→(i(p/h)x))が実数になってしまいます。
実数になることで、
|Ψ|^2=|A|^2e^(-(2√{2m(V-E)}/h)x)
と確率は指数関数的に減少します。

運動量が実数なら
|e^iΘ|^2=cosΘ^2+sinΘ^2=1
だから
|Ψ|^2=|A|^2
になるところですが、運動量が虚数になることで
|Ψ|^2=|A|^2e^(-(2√{2m(V-E)}/h)x)
と指数関数的に減少します。
急激に減少します。
しかし0ではありません。

つまり粒子はとても少ない確率ですが粒子は自分のエネルギーより大きいポテンシャル障壁を通り抜けることがあります。
これをトンネル効果と言います。

これは簡単にするために独特な設定で計算をしているので、ちゃんと量子力学の本でトンネル効果を見ましょう。


運動量が虚数ってのはどういうことでしょうか。
複素数の波動があって、実際に観測されるのはその絶対値の二乗の実数です。


ここでいきなり話がかわって複素数について話ます。
実数体R上の一変数xの多項式f(x)とは

f(x)=a0x^n+a1x^(n-1)+a2x^(n-2)+…+an
(a0,a1,a2…an∈R)
のことで、
f(x)=a(x-c1)(x-c2)(x-c3)…(x-cn)
と一次の因子に分解しようとすると、例えば
f(x)=x^2+1=(x-i)(x+i)
というようにi^2=-1になるiを考えなければなりません。

一般的にはα^n=1で
R(α)
は元が
a0+a1α+a2α^2+…+an-1α^(n-1)
と1,α,α^2,…,α^(n-1)を基底としたR上のベクトル空間という意味です。
R(i)
これは元が
a0+ia1(a0,a1∈R)
と1とiの二次元のベクトル空間になります。
iを2乗すると-1と実数に戻ります。

一般的に
R(α)が四則演算が与えられていて(つまり体という)
a0+a1α+a2α^2+…+an-1α^(n-1)=0
とできる時、R上代数的と言い、R(α)/Rは代数拡大と言います
R(i)これはよく知ってる複素数体Cです。
C=R(i)
R(i)は体で、
i^2+1=0
とできるので、これはR上代数的でR(i)/Rは代数拡大です。

ちょっと難しい話が続きましたが、これ以上R(i)は代数拡大ができません。これを代数的閉体と言います。
証明するのは大変なので代数の本を見てください。


つまり複素数は実数のこれ以上代数拡大できない代数拡大で代数的閉包と言います。
複素数体C上の一変数xの多項式f(x)で
f(x)=a0x^n+a1x^(n-1)+a2x^(n-2)+…+an
(a0,a1,a2…an∈C)

f(x)=a(x-c1)(x-c2)(x-c3)…(x-cn)
でc1,c2…cn∈CとC上で一次の因子に分解できます。


複素数は単にi^2=-1と定義したものではなく、実数をこれ以上代数拡大できない代数拡大というそれなりに必然的に出てくる数なわけです。


そんな複素数は実数上で代数的なので確かに見た目は実数つまり観測は実数であるが、一次の因数に分解すると複素数が出るように複素数の波動関数があると関係が無くも無いかもしれません。


複素数が物理的に意味を持っているかもしれないということが、わかってきたところで運動量が虚数ってのはどういうことなんでしょうか。
これは時間を虚数で計算してます。
いやっむしろ普段の時間が虚数で、実数なのかもしれません。
x軸y軸z軸t軸はどう考えても、時間のt軸だけ特殊です。

光速度をcとすると、三平方の定理から
d^2x/dt^2+d^2y/dt^2+d^2z/dt^2=c^2

d^2x+d^2y+d^2z=c^2d^2t
光が進む速度の大きさを座標で表すと
√(d^2x/dt^2+d^2y/dt^2+d^2z/dt^2)で
光の速度とcと等しい。

式を綺麗にするために、時間の軸をcを基準にとって
d^2x+d^2y+d^2z=d^2t
とします。

すると
d^2x+d^2y+d^2z-d^2t=0
(dx,dy,dz,idt)・(dx,dy,dz,idt)=0
です。
x軸y軸z軸とt軸を同等に扱うには、むしろ時間が虚数でtiと考えると
(dx,dy,dz,dt)・(dx,dy,dz,dt)=0
とすべて同等になってます。
だから、空間は実数、時間は虚数です。
さっきはむしろトンネル効果の時、位相が実数になりました。
波動関数も
e^{i(p/h)x}ではなく
e^{(p/h)x}でpの方が実は虚数なのかもしれませんが、まだまだ勉強不足でわかりません。
また物理的にも数学的にも勉強できたら修正したり、書きたします。



テーマ:科学 - ジャンル:学校・教育

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正四面体に内接する球の半径(中学の図形問題)
中学数学の図形問題です。
一辺の長さが2の正四面体に内接する球の半径rを求めよ。


この問題は半径を出すために辺CDの中点Eとして断面の△ABEは




こうなって別に円は△ABEに内接してません。
HはAから△BCDに垂線を降ろした点です。

ところで球の中心と接点を結んだ線は、その接する面に垂直です。




そこで、正四面体をこう四つに分割してます。

c2_4.jpg

こういう高さがr、底面が一辺の長さ2の正三角形の三角錐が四つできます。


このように三角錐の高さhが求めにくい時によく使う方法があります。
ポイントです。

体積=1/3×底面積×高さだから

○わかっている体積に3かけて底面積で割ると高さ

これは平面でも面積のわかってる三角形の高さを面積に2かけて底辺で割って求めたりなどよく使います。
平面図形や立体図形で高さを求めろ言われると、こういう方法もあると頭に入れておいてください。


それでは、この方法を使う方針で解いてみましょう。


まずは底面積である正三角形BCDの面積を求めましょう。
CDの中点Eとして
CE:BC:BE=1:2:√3
だから、
1/2×2×√3=√3


次は体積です。
この体積出すのは大変そうです。
そこで、もう一つポイント。

○簡単な立体から簡単な立体を取り除いて難しい立体にする


これも平面でも例えば正八角形の面積を求める時

c2_5.jpg

こうやって正方形から周りの四つの直角二等辺三角形を取り除くと簡単に面積が出ます。


それでは、正四面体の場合はどうするのかと言えば結構さっきの正八面角形と似てる気がしますが


こういう立方体を考えます。

c2_6.jpg

この一辺の長さが√2の立方体に綺麗に入ります。
この立方体の体積は
√2×√2×√2=2√2

これから、

c2_7.jpg

角の四つのこの三角錐を引けば正四面体になります・
この三角錐の体積は
1/3×(1/2×√2×√2)×√2=√2/3

よって正四面体の体積は

2√2-4×√2/3=2√2/3

と簡単に出ます。


さて体積はわかりました。

ここで最初に解説したポイントを使います。


正四面体÷4=三角錐OBCD

r={((2√2)/3)÷4}×3÷√3=1/√6=√6/6

分母の有理化は最後の答えだけやればいいです。


簡単に解けましたが、中学生の時にこういうやり方をきちんとマスターしていると大学受験の問題が簡単に解けてしまうことがあるので大切です。



それではこの正四面体の高さhを求めてみましょう。

c2_8.jpg

これも最初のポイント使えば一瞬で出ます。
体積に3かけて面積でわると

h=2√2/3×3÷√3=2√(2/3)

これはよく考えると
h=2√(2/3)=4×√(1/6)=4r
h=4r
です。
そら高さrの三角錐が四つで正四面体になるからそうなんですが。


正三角形BCDでHは頂点とその対辺の中点を結んだ中線の交点です。
これは三角形の重心というものです。
重心HはBH:HE=2:1となります。
c2_9.jpg

こうやって、平行な線を引けば2:1とすぐにわかります。
c2_2.jpg

そしてこの最初に却下した別に円は内接しない△ABEで接点が重心になっているから2:1を適用して平行線を引くと
c2_10.jpg

で、
h:r=4:1
です。
公式として覚えてもいいかもれません
だからh=4rなわけです。
まともに解こうと思えば、これを使います。
BH=2/3BE
=2/√3
h=√(AB^2-BH^2)
=2√(2/3)

r=h/4=1/√6
ちょっとh:r=4:1が難易度が高いと言えば高いかもしれません。


最後にポイントをまとめると

○体積=1/3×底面積×高さだから、わかっている体積に3かけて底面積で割ると高さ

○簡単な立体から簡単な立体を取り除いて難しい立体にする





テーマ:受験 - ジャンル:学校・教育

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プロフィール

わんこら

Author:わんこら
京都大学理学部で数学と物理を勉強し、数学を専攻しました。
東京で数学と物理の講師やってます

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