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受験数学かずスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

早稲田大学の入試の数学の過去問の解説
2009年度
理工学部
ガウス記号の問題、早稲大学2009年度理工学部の数学第1問の解説
一次変換と微分の問題、早稲田大学2009年度理工学部数学の第2問の解説
確率の問題、早稲田大学2009年度理工学部数学の第3問の解説
図形の最大値の問題、早稲田大学2009年度理工学部の数学第4問の解説
微分と極限の問題、早稲田大学2009年度理工学部の数学第5問の解説





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微分と極限の問題、早稲田大学2009年度理工学部の数学第5問の解説
よっしゃこれで最後や。

早稲田大学2009年度理工学部の数学第5問の微分と極限の問題の解説をします。


[問題]
wasedarikou20094.jpg

[Ⅴ]実数p>0に対して、
f(x)=e^{(p+1)x}-e^xとおく。以下の問に答えよ
(1)f(x)が最小となるxの値s_pを求め、y=f(x)のグラフを描け。
(2)g(t)=∫(t→t+1)f(x)e^(t-x)dxとおく。g(t)が最小となるtの値t_pを求めよ。
(3)0<p≦1のとき、
1+p/2≦(e^(pー1))/p≦1+p/2+p^2
が成立することを用いて、右側からの極限lim(p→+0)(t_p-S_p)を求めよ。


[解答と解説]
(1)
wasedarikou20094_1.jpg
グラフを描けってことは二回微分も調べろってことなんだと言うことなのかちょっとわかりにくいですが、数学3ではやっぱり調べておかなければならないってことなのでしょう。

f'(x)=(p+1)e^{(p+1)x}-e^x
=e^x{(p+1)e^(px)-1}
正負にかかわるのは
(p+1)e^(px)-1
の部分でこれは底が1より大きい指数関数だから増加関数で0になるのは
x=-1/p・log(p+1)
です。これがS_pです。

二回微分すると
f''(x)=((p+1)^2)e^{(p+1)x}-e^x
=e^x{((p+1)^2)e^(px)-1}
正負にかかわるのは
((p+1)^2)e^(px)-1
の部分でこれは底が1より大きい指数関数だから増加関数で0になるのは
x=-2/p・log(p+1)

でもこれらをf(x)に代入すると値は出るには出ますがちょっとややこしいですね。
wasedarikou20094_2.jpg
増減表を書いて、漸近線も調べる必要があるから
lim(x→-∞)f(x)=0
lim(x→∞)f(x)=∞
で負の方ではy=0が漸近線になってます。

これらをグラフに書いてください。

それで最小になるのは
S_p=-1/p・log(p+1)

(2)
wasedarikou20094_3.jpg
工夫したら、積分する前に微分できますが返ってややこしいような気がせんわけでもなかったので普通に積分して微分しました。

g(t)=∫(t→t+1)f(t)e^(t-x)dx
=∫(t→t+1)(e^(px+t)-e^t)dx
=e^t[1/p・e^(px)-x](t→t+1)
=1/p・e^{(1+p)t+p}-et-1/p・e^{(1+p)t}

でtで微分をして
g'(t)=(1+p)/p・e^{(1+p)t+p}-e^t-(1+p)/p・e^{(1+p)t}
=e^t{{(1+p)(e^p-1)/p}・e^(pt)-1}

正負に関するのは
{(1+p)(e^p-1)/p}・e^(pt)-1
のとこでこれは底が正の指数関数だから増加関数で0になるのは
t=1/p・log(p/((1+p)(e^p-1)))

でここで最小値になります。

よって
t_p=1/p・log(p/((1+p)(e^p-1)))


(3)
wasedarikou20094_4.jpg
t_p-S_p
=1/p・log(p/((1+p)(e^p-1)))+1/p・log(p+1)
=-log((e^p-1)/p)^(1/p)
で問題文の
1+p/2≦(e^(pー1))/p≦1+p/2+p^2
の形が出てきます。
この左辺は1より大きいから、1/p乗しても不等号の向きはそのままで

(1+p/2)^(1/p)
≦{(e^(pー1))/p}^(1/p)
≦(1+p/2+p^2)^(1/p)

まずlim(p→+0)(1+p/2)^(1/p)
の方はたぶん結構みんなやったことある形で1+p/2だからむりやり指数の部分を2/pにして
lim(p→+0){(1+p/2)^(2/p)}^(1/2)=e^(1/2)

次にlim(p→+0)(1+p/2+p^2)^(1/p)
ですがこれはちょっと難しそうですが、実はこれも全く同じように1+p/2+p^2だから指数の部分を無理やり1/(p/2+p^2)にして
lim(p→+0)(1+p/2+p^2)^(1/p)
=lim(p→+0){(1+p/2+p^2)^(1/(p/2+p^2))}^(1/2+p)
=e^(1/2+0)
=e^(1/2)

よってはさみうちの原理から
lim(p→+0){(e^(pー1))/p}^(1/p)=e^(1/2)

従って答えは

lim(p→+0){-log((e^p-1)/p)^(1/p)}
=(-log(e^(1/2)))
=-1/2

と求まりました。

これは、最後まで計算がたどり着くのが大変な問題やったな。

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高校数学の入試問題などの解説



旧画像
090216_waseda200914.jpg 090216_waseda200915.jpg 090216_waseda200916.jpg 090216_waseda200917.jpg


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図形の最大値の問題、早稲田大学2009年度理工学部の数学第4問の解説
あかん筋肉痛になってきた。
早稲田大学の2009年度の理工学部の第4問の図形の最大値の問題の解説をそっこうやります。


[問題]
[Ⅳ]以下の問に答えよ。
(1)半径rの円に内接し、1つの対角線の長さがlであるような四角形の面積の最大値をrとlで表せ。
(2)半径rの円に内接する四角形の面積の最大値を求めよ。
(3)空間内の点Oを頂点とし、四角形ABCDを底面とする四角錐がOA=OB=OC=OD=1を満たしているとする。そのような四角錐の体積の最大値を求めよ。


[解答と解説]
(1)
090216_waseda200918.jpg

まず適当に線分の長さがlとなるように点P、Qを円周上にとります。
それで、弧PQの一方に点Sを、その反対側の弧に点Tをとってその弧上で点S,点Rを動かすことを考えます。

すると
四角形QTRS=△QRS+△QRT
になっていて△QRSの面積は点Sのみに依存し、面積が最大になるのは点Sを動かしていくと真ん中の弦PQの垂直二等分線と円周との交点のところで高さが最大になるから△QRSが最大になります。

また△QRTの面積は点Tのみに依存し、最大になるのは点Tを動かしていくと真ん中の弦PQの垂直二等分線と円周との交点のところで高さが最大になるから△QRTが最大になります。

090216_waseda200919.jpg

だから四角形QTPSが最大になるのは△QRSと△QRTが最大になる時で、それはTとSが弦PQの垂直2等分線上でちょうど線分TSは直径2rになっていて面積は

1/2×TS×PQ=rl
になります。

これはあれやな。
例えばf(x,y)って言う2変数の関数があって
f(x,y)=g(x)+h(y)
って形なら、g(x)はxにだけ依存、h(y)はyだけに依存するから
f(x,y)を最大値を求めるにはg(x)でxを動かして最大値を求めて、h(y)でyを動かして最大値を求めて、g(x)とh(y)の最大になる時がf(x,y)が最大になる時と同じ考え方です。

(2)
090216_waseda200911.jpg
(1)を使うことを意識して半径rの円の内接する四角形の面積は1つの対角線の長さをlと固定すると四角形の最大値はrlでした。
今度はlを変数としてみるとrlが最大になるのは、lが最大の時でそれは直径の2rの時です。
だから
r×2r=2r^2
になるんですわ。

(3)
090216_waseda200912.jpg
いきなり四角錐とか出てきたけど、(1)(2)と全然関係無いようで、たぶん使うんやろなって思うとわかりやすいと思います。

Oから四角形ABCDの平面に垂線OHを引く。
OH=hとしておいて(0<h<1)三平方の定理から
HA=HB=HC=HD=√(1-h^2)
だからA,B,C,Dは点Hを中心とした半径√(1-h^2)の円周上にあるわけやな。

ここで(1)(2)が使えるわけや。

だからまずhを固定して、底面の四角形ABCDの最大値は(2)から
2(1-h^2)
になります。

だから体積V(h)は

V(h)=2(1-h^2)h/3
=2(h-h^3)/3

090216_waseda200913.jpg

今度はh(0<h<1)を動かして微分して増減を調べるだけですわ。

V'(h)=2(1-3h^2)/3

で(1>)h>0だから0<h<1/√3で増加して、1/√3<hでは減少するから
h=1/√3で最大になるから最大値は

V(1/√3)=(4√3)/27


090216_waseda200920.jpg

(2)と(3)はf(x,y)って関数があって最大値を求めるときに、まずxを固定してyを動かして最大値F(x)を求めて、今度はxを動かしてF(x)の最大値を求めるって言うのと同じ考え方です。
(2)はまずlを固定して最大値をだして、lを動かして最大値を求めました。
(3)はhを固定して底面積の最大値をだして、hを動かして体積の最大値を求めました

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