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受験数学かずスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

回転体の体積の問題、東京工業大学2009年度第4問の解説
東京工業大学2009年度の第4問、回転体の体積の問題を解説しますうへ~。



[問題]
[4](70点)
toukou20094.jpg

xyz空間の原点と点(1,1,1)を通る直線をlとする。
(1)l上の点(t/3,t/3,t/3)を通りlと垂直な平面が、xy平面と交わってできる直線の方程式を求めよ。
(2)不等式0≦y≦x(1-x)の表すxy平面内の領域をDとする。lを軸としてDを回転させて得られる回転体の体積を求めよ。


[解答と解説]
(1)
090226_m01.jpg
まず数学は図を書かないことには始まらんわけやけど、あんま書いてもわからんかもしれんなこれは。

空間ベクトルになれていたら、むしろ計算だけでいくのが得策ですね。

A(1,1,1),B(t/3.t/3.t/3)って名前をつけておいて
点Bを通り直線lに垂直な平面上の点をP(x,y,z)をとすると
OA→・BP→=0
であればオッケーです。

これはこういうやり方なんでしっかりマスターしておいてください。


(1,1,1)・(t/3-x,t/3-y,t/3-z)=0

x+y+z=t

これが点Bを通りlに垂直な平面の方程式です。


xy平面との交わりはz=0を代入したらいいから

x+y=t

です。


この一連の流れを身体で覚えたってください。


(2)
これだけややこしい、回転体の体積の問題はあんまり見たことがない。

lで回転って言うのがまた曲者やな。


lで回転するってことはlに垂直な平面の断面積を積分しなければなりません。
ここはよく注意しておいてください。


まず点Bを通るlに垂直な平面の回転体の断面積を求めることにします。

f(x)=x(1-x)としておいて

090226_m02.jpg

Dとx+y=tの共通部分を回転することになりますが、位置関係がよくわかりません。


そこで、点Bとlをxy平面に正射影したB'(t/3,t/3,0).l':y=xを考えるとわかりやすいと思います。

するとf'(x)=1-2xでf'(0)=1でf'(1)=-1ですが、l':y=xは原点でy=f(x)と接しています。

と言うことは点Bから直線x+y=tに垂線を下ろして最短距離を求めようとしても、その交点はDに入ってないからあかんことになります。


Dとx+y=tの共通部分とBとの最短距離は図から言えばDとx+y=tが交わるのは0≦t≦1の時ですが、x+y=tとy=f(x)の交点で二つでますがy≧0の方の交点です。
その点をSとします。

座標はy消去して
x+x-x^2=t⇔x^2-2x+t=0
から
x=1±√(1-t)

y=t-(1±√(1-t))
y≧0の方は
(x,y)=(1-√(1-t),t-1+√(1-t))
だから
S(1-√(1-t),t-1+√(1-t))

そしてDとx+y=tとの一番遠い距離になる点はx+y=tとx軸との交点です。
もちろん0≦t≦1の範囲の話しです。

この点をTとして座標は

T(t,0)

よって、点Bとの距離の最小になるのはBS,最大になるのはBTで計算すると

090226_m03.jpg

BT^2=(t/3-t)^2+(t/3)^2+(t/3)^2=2t^2/3
BS^2=(t/3-1+√(1-t))^2+(t/3-t+1-√(1-t))^2+(t/3)^2
=(2t^2/3-5t+4+(2t-4)√(1-t))

と少々ややこしい式がでます。

少々どころじゃなくて、もう13/15くらいの人がぶほー!って椅子ごと後ろに倒れて後頭部が段の角っちょに当たるレベルかもしれませんが。


それでその点Bを通ってlに垂直な平面をの図を書いてみると、線分STを回転させたのが回転体の断面積になります。

ドーナッツやなこれは。

面積は
πBT^2-πBS^2
=π(4t-4+(4-2t)√(1-t))

でもこのままtで積分してはいけません。

と言うのは積分はl軸のメモリで積分しなければならないからです。
だからl上の点Q(s/√3,s/√3,s/√3)を考えると、OQの長さはsになるからこのsで積分すればよくてQを通るlに垂直な平面で回転体を切った断面積を考えると
s=t/√3とすればさっきまで計算してきた結果が使えるから
回転体があるのは0≦s≦1/√3の範囲で

求める体積は
∫(0,1/√3)2π(2t-2+(2-t)√(1-t)))ds
です。

090226_m04.jpg

これをもっかいs=t/√3と置換して求めます。
ds=1/√3・dt

だから
∫(0,1)2π/√3・(2t-2+(2-t)√(1-t)))dt
=2π/√3・[t^2-2t](0,1)
+2π/√3・∫(0,1)(1-t)^(3/2)dt
+2π/√3・∫(0,1)√(1-t)dt

=-2π/√3+4π/5√3+4π/3√3
=(2√3)/45

この問題は体積は積分する軸に垂直な平面で切った断面積をその軸のメモリで積分しなければならないと言うことがちゃんとわかってないと出来ない問題なので、そういう意味でやるのによい問題だと思います

東京工業大学の入試の数学の過去問の解説

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整数問題、東京工業大学2009年度の第三問の解説
さて東京工業大学2009年度の解説するか。
でもそれは本当に苦しいこと…

[問題]
[3](60点)
toukou20093.jpg

Nを正の整数とする。2N以下の正の整数m、nからなる組(m、n)で、方程式
x^2-nx+m=0がN以上の実数解をもつようなものは何組あるか。


[解説]
090225_m09.jpg
二次関数の解の配置みたいに考えてもいいですが、単純に解を出して
x=(n±√(n^2-4m))/2
これの大きいほうがN以上になればいいから

N≦(n+√(n^2-4m))/2

とやった方がシンプルかもしれんかな。

ちなみにこの無理不等式を解くと、n^2-4m≧0は満たされている条件を解いてることになります。

N≦(n+√(n^2-4m))/2

2N-n≦√(n^2-4m)

でnは2N以下だから2N-n≧0です。
だから両辺二乗してよくて

(2N-n)^2≦n^2-4m

この時点でちゃんと
0≦(2N-n)^2だから
0≦n^2-4mは成り立っています。

整理すると

N^2-nN+m≦0

これはf(x)=x^2-nx+mとするとf(N)≦0の時ってことになってます。


この解き方ですがNは固定されているのでNの二次関数とみたらあかんねん。

そうやな、だから

m≦nN-N^2

と見るねん。

mは0より大きいから
0<nN-N^2⇔N<n
⇔N+1≦n
が必要です。

mは1以上だからって考えると
1≦nN-N^2
でNで割れなくなるから、あんまり上手くいかんわけやな。

このi,jを整数とすると
i+1≦j⇔i<j
(i+1以上はiより大きいと一緒)
が整数問題でよく使う手法です。

当たり前なのに非常に有効です。


n=N+1の時は
m≦nN-N^2=N
だからmは1~NのN個です。

n=N+2の時は
m≦nN-N^2=2N
でmはそもそも2N以下だから1~2Nのどれでもオッケーで2N個です。

n=N+3の時は
m≦3N
でmはそもそも2N以下だからこれも2N個です。

と言うことは
n=N+k(2≦k≦N)の時はmは2N個あります。

よって(m.n)の組の個数は

N+(N-2+1)2N=2N^2-N個になります。

最初の方に書いた二次関数と考える方法では

090227_m1.jpg

f(x)=x^2-nx+mとおくと軸はx=n/2≦Nだからx軸とy=f(x)がN以上で交わるわるにはf(N)≦0であればよくて
f(N)≦0

N^2-nN+m≦0

こっちの方がやっぱり簡単かなあ。

無理方程式や無理不等式は解くの間違いやすいしな。

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整数問題の解法の解説と問題演習




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一次変換の問題、東京工業大学2009年度の第二問の解説
そしたら東京工業大学の2009年度第2問の一次変換の問題を解説してしばれかれるわ。


[問題]
[2](60点)
toukou20092.jpg

実数aに対し、次の1次変換
f(x,y)=(ax+(a-2)y,(a-2)x+ay)
を考える。以下の2条件をみたす直線Lが存在するようなaを求めよ。
(1)Lは(0,1)を通る。
(2)点QがL上にあれば、そのfによる像f(Q)もL上にある。


[解答と解説]
090227_m4.jpg
直線は
ax+by+c=0
が一般的な形ですが、これは使いにくいことも多いと思います。
3変数になってるしな。

だから
y=mx+b
が便利ですが、y軸に平行な直線があらわせないのが難点でした。

と言うことで分けてやってみます。

y軸に平行な直線で(0,1)を通るのはx=0やから、これで分けてみますわ。

(i)L:x=0の時
L上の点Q(0,t)(tは実数)とおけて
f(Q)を(x,y)とすると
(x,y)=f(0,t)
=((a-2)t,at)

で、すべての実数tでf(Q)がまたL上になるにはx=(a-2)tだからa=2の時です。

この時、y=2t
だから直線L上になってオッケーです。


090227_m5.jpg

(ii)L:y=mx+1の時(mは実数)
L上の点Q(t,mt+1)(tは実数)と置けます。
一次変換する時はこうやって、直線を媒介変数で考えておくと便利です。
f(Q)を(x,y)とすると
(x,y)=f(t,mt+1)
=(at+(a-2)(mt+1),(a-2)t+a(mt+1))
だから
x=(a+(a-2)m)t+a-2
y=(a-2+am)t+a

でtを消去してy=mx+1と係数を比較してもいいんですが、これをy=mx+1に代入してそれが全てのtについて成り立つようにした方が計算がすっきりします。
y=mx+1に代入して
(a-2+am)t+a=m(a+(a-2)m)t+a-2

(a-2)(m^2-1)t+(a-2)m-a+1=0

これが全ての実数tに対して成り立つには
(a-2)(m^2-1)=0…①
かつ
(a-2)m-a+1=0…②
です。
①よりa=2とすると②の左辺は-1になり矛盾。
だからa≠2でm=±1になります
m=1の時②に代入すると左辺は-1になり矛盾

m=-1の時②に代入すると-2a+3=0⇔a=3/2
(i)(ii)よりa=2,3/2




tを消去してy=mx+1に代入する方法では x=(a+(a-2)m)t+a-2
y=(a-2+am)t+a

xの方の式でa+(a-2)mで割らないといけないから、これが0の時を調べてみます。
a+(a-2)m=0
とすると
x=a-2
となってy軸に平行な直線になって矛盾するから
a+(a-2)m≠0
です。

これで割れてtを消去すると
y=(a-2+am)/(a+(a-2m))・(x-a+2)+a

って出てきた時点で、鼻血がいつもと違う感じで出てきそうですがそこはティッシュ丸めて入れておさえてください。

冷静にやればすぐに鼻血止まるレベルでこれがLになるには

(a-2+am)/(a+(a-2m))=m

でなければなりません。

これを整理すると

(a-2)(m^2-1)=0

ってかなり簡単な式になります。

a=2の時は
(a-2+am)/(a+(a-2m))はmだからLは

y=m(x-2+2)+2
=mx+2

となって(0,1)を通らないからあかんなこれは。


と言うことでa≠2だから
m^2-1=0⇔m=±1
です。
m=1の時は、Lは
y=(x-a+2)+a
=x+2

でこれも(0,1)を通らないからあかんことになるなこれは。

m=-1の時、Lは
y=-(x-a+2)+a
=-x+2a-2

これが(0,1)を通るには
2a-2=1よりa=3/2です。


結局(i)(ii)あわせてa=2,3/2

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