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受験数学かずスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

京都大学理系文系共通第2問の立体図形の問題の解説
さあて、まさるの運動会を見に行くか

それでは京都大学2012年度理系文系共通第二問の空間図形の問題を解説します。

[問題]
kyoudai201221.jpg

正四面体OABCにおいて点P,Q,Rをそれぞれ辺OA,OB,OC上にとる。ただしP,Q,Rは四面体OABCの頂点とは異なるとする。△PQRが正三角形ならば,3辺PQ,QR,RPはそれぞ3辺AB,BC,CAに平行であることを証明せよ。


[解答と解説]
これはぶーわーベクトルで立てていったら出来るんちゃうん!

kyoudai201222.jpg

って1つ1つ条件を式にあらわしていくと

・P,Q,RはOA,OB,OC上より
OP→=kOA→,OQ→=lOB→,OR→=mOC→

これでええねんけど、あんまり一般的にやりすぎようとすると

kyoudai201223.jpg

吐血する可能性もあります。


と言うのはこの条件は実は

kyoudai201224.jpg

なんか、ぶーわー書いてますが

OP→,OQ→,OR→がなす角がそれぞ60°って言うのが本質なわけです。

OA→,OB→,OC→を基本ベクトルにとると言うことは

OA,OB,OCを座標軸にとってると言うことやから、なす角度がコアになるわけやな。


なす角度を考えることで、四面体である空間的な情報はある程度使えてるしな。


つまりなす角度が60°であることが空間ベクトルの仕事なので、

それがわかれば別に余弦定理とかで簡単に出来てまいます。


こういうとこが解答を見ると簡単に見えても

やってみると意外に出来ないと言う京大らしいとこやな。



△PQRが正三角形であることは長さが等しいで大丈夫やな。

kyoudai201225.jpg

なす角度が60°であれば良いから

OP→=p→
OQ→=q→
OR→=r→
とおいて
|p→|=p
|q→|=q
|r→|=r
とおいて

p→・q→=pqcos60=pq/2
q→・r→=qrcos60=qr/2
r→・p→=rpcos60=rp/2

の情報でいけます。

△PQRは正三角形だから
PQ=QR=RPより

|q-p|^2=|r-p|^2=|p-r|^2
整理して
|q-p|^2=|r-p|^2

q^2-pq+p^2=r^2-rq+q^2

|r-p|^2=|p-r|^2

r^2-rq+r^2=p^2-rp+r^2

ここまでくると因数分解やな
q^2-pq+p^2=r^2-rq+q^2
は次数が低い文字で整理が有利なのでqで整理したら余裕でできます

(p-r)q+r^2-p^2=9
より
(p-r)(p+r-q)=0…①

同様に
r^2-rq+r^2=p^2-rp+r^2

(q-p)(q+p-r)=0…②

p=q=rを言えば全部正三角形になって良さそうなので

p+r-q=0とかを否定したらオッケーですね。

kyoudai201226.jpg

p+r=qとすると
②からq=pの時は
p+r=p⇔r=0
となって不敵
q+p=rの時も
2p+r=r⇔p=0
となり不敵です

よってp+r≠qで

同様にq+p≠rと言えます。

よって

p=r,q=pからp=q=rですね。


これで△OPQと△OQRと△ORPは正三角形になって
∠OPQ=∠OAB=60°
∠OQB=∠OBA=60°
よりPQ//ABです。
同様にしてQR//BC,PR//AC


京都大学の入試の数学の過去問の解説

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京都大学2012年度理系第1問、極限と積分の小問題の解説
もう言うてもオペラ歌手が泣く季節になってんな。


京都大学2012年度理系第一問の解説いきます

[問題]
kyoudai201211.jpg

(1)aが正の実数のとき,lim(n→∞)(1+a^n)^(1/n)を求めよ
(2)定積分∫(1,√3)(1/x^2)log(√(1+x^2))dxの値を求めよ



[解答と解説]
(1+1/n)^n→eのネタかな?と思わせといて

よく見ると結構違うと言う簡単なのに意外にやりにくいのが京大っぽさです。


a^nの極限がaの値によって違うから、まずこれで場合分けっぽいな

kyoudai201212.jpg

r^nの扱いは
|r|>1
|r|<1
r=1
r=-1
で分けて考えましたね。

aは正なので
0<a<1
a=1
1<a
で分けて考えれば良さそうです。


よく修学旅行のお風呂で

大きさによって

参りました!

とかその人の扱いがかわったりしてたやろ。


もちろん、背の大きさとかの話な。


a>1のときは

kyoudai201213.jpg

これは大きいから1+a^nが言うてもほとんどa^nみたいなもんやねん。

それを表現するには

1+a^n=((1+a^n)/a^n)a^n

とやれば
(1+a^n)/a^n→1
やから
a^nに置き換えられたみたいになります。



0<a≦1のときは収束するけど

一つちょっと気になるのが

kyoudai201214.jpg

a_n→α
b_n→β

だからと言って

a_n^(b_n)→α^β

と言ってしまっていいのかどうかです。


和a_n+b_n→α+β
差a_n-b_n→α-β
積a_n・b_n→αβ
商a_n/b_n→α/β

とかはさすがに認められてると思うねんけど
指数の演算については微妙かもしれません。


そこれで対数関数や指数関数の連続性から

kyoudai201215.jpg

log(a_n)^b_n=b_nlog(a_n)
→βlogα=logα^β
より
a_n^(b_n)→α^β

とやっておけば安全です。

対数関数や指数関数の連続性よりとか言うと、正確すぎるような気もするけどな。


と言うことで解答は簡単です。

見といてください

kyoudai201216.jpg

0<a<1ではa^n→0、1/n→0で1^0=1に近づくから
これを対数で計算

a=1では2^1/n→2^0=1

1<aでは
(1+a^n)^(1/n)=((1+a^n)/a^n)^(1/n)a
→a
で対数で計算ですね。



しかしa^nや1/nは極限をとるのが指数のとこなので

定数倍や和ぐらいでは影響はないのを生かせば

もっと簡単で議論のやばさもなくて

kyoudai201217.jpg

1<1+a^n≦1+1=2

1^(1/n)<(1+a^n)^(1/n)≦2^(1/n)
とやれば挟み撃ちで
極限1になります。

kyoudai201218.jpg

1<aのときも
a^n<1+a^n<a^n+a^n=2a^n
より
a<(1+a^n)^(1/n)<2^(1/n)a
で極限aになります



(2)
logが入ってるので

kyoudai201219.jpg

∫log(x)dx

を思い出すと
1×log(x)
と考えて部分積分で
1を積分
log(x)を微分しました。

こういうときはとりあえず似たような積分を考えて

同じように出来ないかと考えてみるのが一つの考え方です。

kyoudai201220.jpg

普通にできます

1/(1+x^2)の積分はもうtanに置換して

角度のところが飛び出すなと感じるように練習しといてください


角度のところが飛び出すと言うことはtanの逆関数arctanになるねんけど

そういうネタもたまに出たりするとこやしな。


京都大学の入試の数学の過去問の解説





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確率の問題、京都大学2010年度理系甲第1問、文系第3問の解説
今年もはりきって、ちんちん書きながら説明しとこか。

京都大学2010年度理系甲第1問、文系第3問の問題の解説です。


簡単な問題やけど、京大など難関大学の問題を解くのに答えにいたるプロセスが勉強になる問題なので、丸まま覚えてしまってください。


[問題]
kyoudai2010ko11.jpg

1から5までの自然数を1列に並べる。どの並べ方も同様の確からしさで起こるものとする。このとき1番目と2番目と3番目の数の和と,3番目と4番目と5番目の数の和が等しくなる確率を求めよ。ただし,各並べ方において、それぞれ数字は重複なく1度ずつ用いるものとする。

[解答と解説]

この問題は、さすが京大なだけに勉強するのにめちゃくちゃいい問題です。
簡単かもしれんけど、難問題を解くためのいい教材です。


また

どの並べ方も同様の確からしさで起こるものとする

って書いてるところが問題も良く出来ていて、本当はこれをきちんとどの問題も書くべきです。


この記述によって、並べ方の総数は5!通りだから、根元事象である1つの並べ方の確率が1/5!とわかるわけです。
この根元事象がいくつあるか?
それが確率やねん。

詳しくは→確率と場合の数の違い、同様に確からしいとは…

そしたら、これはちょっとした整数問題みたいなもんですが、整数問題のよく解き方のパターンからいっときましょか。

kyoudai2010ko12.jpg

1、範囲をしぼる(必要条件でしぼる)
2、シラミつぶし(十分性の確認)

です。

これは、整数問題に限らず数学でよく使う思考パターンです。


まあこういう話をしていくと、気づくとみんな血吐いて倒れて二度と動かなくなるから早速説明していこか。


まずは

1番目と2番目と3番目の和
=
3番目と4番目と5番目の和

のものを求めますが、これは要するに

1番目と2番目
=
4番目と5番目の和

であればいいわけです。


これくらいなら、もう必要条件で絞らなくても2数の組み合わせを全部書き下してまえばええねん。

kyoudai2010ko13.jpg

全部書き下してまえば、わかりますやん、うへ~

って白目むいて痙攣しながら言うあほみたいなノリで解くのがコツです。


このうへ~って白目むいて痙攣するところを覚えて欲しいねん。


そしたら早速解答に入っていこか。

kyoudai2010ko14.jpg

「1番目と2番目と3番目の和
=3番目と4番目と5番目の和」

「1番目と2番目の和
=4番目と5番目の和」


だから2数ずつの組み合わせを全部書いて

kyoudai2010ko15.jpg

(1,2)-(3,4),(3,5),(4,5)

(1,3)-(2,4),(2,5),(4,5)

(1,4)-(2,3)○,(2,5),(3,5)

(1,5)-(2,3),(2,4)○,(3,4)

(2,3)-(4,5)

(2,4)-(3,5)

(2,5)-(3,4)○

2数の和が等しいのは3つ。

この組み合わせの並べ方はそれぞれ

(2!×2!)×2=8

よって題意を満たす並べ方は3×8=24だから求める確率は

24/5!=1/5


はい、いいですね。



そしたら、ここでもうちょっと必要条件で絞ったやり方を書いてみたいと思います。

kyoudai2010ko16.jpg

k番目の数をx_kとすると

x_1+x_2+x_3=x_3+x_4+x_5

x_1+x_2=x_4+x_5…①

また
x_1+x_2+x_3+x_4+x_5=1+2+3+4+5=15…②

①,②より

(x_1+x_2)+x_3+(x_1+x_2)=15

x_3=15-2(x_1+x_2)
=(奇数)-(偶数)
=(奇数)

よってx_3=1,3,5が必要

こうやって必要条件でしぼって、後はしらみ潰しで十分性を満たすものを考えます。

kyoudai2010ko17.jpg

x_3=1の時
2数の和が等しい組み合わせは
(2,5)-(3,4)の1つ
2!・2!・2=8通り

x_3=3の時、同様にして(1,5)-(2,4)で8通り

x_3=5の時、同様にして(1,4)-(2,3)で8通り

よって求める確率は

3×8/5!=1/5



こんなん考える暇あったら全部書き下す方が早いけどな。


だから今日は試験中に

全部書き下したらわかりますやん、うへ~って白目むいて痙攣する

これを覚えて帰って下さい。

京都大学の入試の数学の過去問の解説

整数問題の解法の解説と問題演習




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東京で数学と物理の講師やってます

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