n進法について説明します。
まずは次の問題を考えて下さい。
[問題]
たかし君は23725円のスヌーピーの人形を買おうと思いました。
たかし君は1円玉を23725個持ってきたとします。
どうなりますか?
[答え]
角に追い詰められてミゾオチに膝蹴りかまされまくる。

1万円札を2枚,千円札を3枚,100円玉を7枚,10円玉を2枚、1円を5枚持ってきてたら、たかし君は内臓破裂せずにすんでいたのです。
つまり数を表すときは1が何個あるかなんか考えてたら大変やねん。
そこで23725のような場合一番大きい10000が2個ある。
残り3725では1000は3個ある。
残り725では100が7個ある。
残り25では10が2個ある。
残り5では1が5個ある。
こうやって大きい順に何個あるかを与えていけば
10000が2個で、1000が3個で、100が7個、10が2個、1が5個の数
って簡単に表現あらわせるねん。
その2,3,7,2,5を
23725
って左から並べて数をあらわします。
この10の何乗が何個あるか?って考えて数を表す方法を10進法と言います。
普段使ってる数が10進法です。
ここを2にしたのが2進法,3にしたのが3進法、4にしたのが4進法、…、
nにしたのがn進法です(nは自然数)
例えば10進法で563は3進法であらわすとどうなるか?
まず3^5=243が2個で残り563-243×2=77
77に3^4=81は0個で残りはまだ77のまま
77に3^3=27は2個で残りは77-27×2=23
23に3^2=9は2個で残りは23-9×2=5
5は3は1個で残りは5-3=2
2は1が2個
だから3進法では
202212
って表せるねん。
10進法への直し方は3^5=243が2個、3^4=81は0個、3^3=27は2個、3^2=9は2個、3は1個、2は1が2個って言う意味やから
243×2+81×0+27×2+9×2+3×1+1×2=563
って表せます。
ただ10進法からn進法に直すには小さい桁から出していった方が簡単です。
さっきので563を3進法であらわすのも
563を3で割ると商187で余り2やから下から1桁目は2
187を3で割ると商62で余り1やから下から2桁目は1
62を3で割ると商20で余り2やから下から3桁目は2
20を3で割ると商6で余り2やから下から4桁目は2
6を3で割ると商2で余り0やから下から5桁目は0
2は3で割ると商0で余り2やから下から6桁目は2
で3進法では
202212
と表せる。


やってることは
563=243×2+81×0+27×2+9×2+3×1+1×2
=3(81×2+27×0+9×2+3×2+1)+2
=3(3(27×2+9×0+3×2+2)+1)+2
=3(3(3(9×2+3×0+2)+2)+1)+2
=3(3(3(3(3×2+0)+2)+2)+1)+2
=3(3(3(3(3(2)+0)+2)+2)+2)+2
と言うことです。
3(3(3(3(3(2)+0)+2)+2)+2)+2
3で割ると商が(3(3(3(3(2)+0)+2)+2)+2)で余りが2が出てくる。
この2は下から1桁目やった。
その商3(3(3(3(2)+0)+2)+2)+2を3で割ると商が3(3(3(2)+0)+2)+2で余り2が出てくる
この2は下から2桁目やった
…
実際の計算はこれを使ってください。
もう意味わからんようになってきてその辺で血吐いてる人も計算方法だけは覚えてください。

ちなみに7進法で2.415って小数であらわされてると
2+4×1/7+1×(1/7)^2+5×(1/7)^3
って言う意味になります。
一般的な書き方すると数Mをn進法で表すには

M=Σ(k=-i~j)a_k・n^k
(a_kは0≦a_k≦n-1の整数)
となるa_kは一意に決まってn進法では
a_ja_(j-1)…a_1a_0a_(-1)…a_(-i)
と表わすと言うことになります。
これがMが負の整数でも一意になります。
しかし無限に項が必要になったりします。
例えば-1を7進法で表すと余りが0~6になればいいから
-1を7で割ると商は-1,余り6
商の-1を7で割ると商は-1,余り6
…
永遠と続く
だから-1は7進法では
…66666666666
そういえば0.99999999…=1やったけど-1を10進法で表すと実は
-1=…9999999999
って9を無限に並べたやつで、実際
…99999999×…9999999=…000000001
(-1)×(-1)=1
となってるねんな。
これで-1も永遠の安らぎを得ました。
ここでまたn進法とは違うものですがp進整数を紹介しときます。

pを素数とします。
何故素数かはZ/pZが体になるからです。
例えばZ/10Zでは5には何をかけても1にならないから5は逆数がありませんでした。
Z/7Zでは2×4≡1,3×5≡1,6×6≡1(mod 7)
と言うように素数を法としてたら全ての元には逆数が存在します。
だから割り算できるようにpは素数を考えます。
話は戻って∀n∈Zは
n=a_0+a_1p+a_2p^2+…+a_ip^i+…(0≦a_i≦p-1)
と一意に表されます。
q_0:Z→Z/pZ
を自然な射影とすればq_0(n)=a_0です。
精度は悪過ぎですがnはa_0に近い値みたいな感覚です。
同様にして
q_(i-1):Z→Z/p^iZ
を自然な射影とすれば
q_(i-1)(n)=a_0+a_1p+a_2p^2+…+a_(i-1)p^(i-1)
nはa_0+a_1p+a_2p+…+a_(i-1)p^(i-1)みたいなもの。
だんだん精度がよくなってきます。
これらの集合をすべてのiについて一斉に考えることで得られる集合Z_pをp進整数環と言いその元をp進整数と言います。
a_0+a_1p+a_2p^2+…+a_ip^i+…(0≦a_i≦p-1)
全体のなす集合です。
自然な射影
π:Z/p^iZ→Z/p^(i-1)Z
用いて
Z_p={(a_(i-1)~)∈Π_i≧1 Z/p^iZ;π(a_i~)=a_(i-1)~}
と書けます。
このことをZを近似する無限に続く系列
π π π
…→Z/p^3Z→Z/p^2Z→Z/pZ
の射影的極限と言って
Z_p=lim←Z/p^iZ
と書きます。
これ大学で最初友達が黒板に書きだした時はようわからんかった。
でも今見れば慣れてきて当たり前のように感じるな。
こんな定義を専門書で正確に覚えていくと理解出来るようになると思います。
中学受験の算数の問題の解答や解説
数理物理
整数問題の解法の解説と問題演習
テーマ:算数・数学の学習 - ジャンル:学校・教育
|