今回は、必要条件で条件を絞ったら、甘い空間がひろがる話をしたいと思います。
まずこんな問題があったとします。

f(x)=x^2-2ax+2a+2
g(x)=x^2-(2a-3)x-6aとする。
どんなxに対しても「f(x)>0またはg(x)>0」が成り立つようなaの値の範囲を求めよ。
それで解いてこうとするとまず

g(x)=(x-2a)(x+3)
と因数分解出来るから
g(x)≦0になる範囲でf(x)>0を示したら良さそうと言う見通しを立てて、結局は二次関数f(x)の解の配置問題になってきて、使いそうな値を調べておくと
f(x)=(x-a)^2-a^2+a+2
軸:x=a
f(2a)=2a+2
f(-3)=8a+11
f(x)=0の判別式をDとすると
D/4=a^2-2a-2
ってなります。
それで2aと-3は大小関係がわからんから、まずこれで場合わけしてそれで、その範囲でf(x)>0になるように軸の位置で場合わけしたらええってことになりそうですね。
ここまでよくある流れやな。
さあて場合わけするか。

(i)2a<-3⇔a<-3/2の時
g(x)>0⇔x<3a,-3<x
で
2a≦x≦-3でf(x)>0になればよいから
軸:x=a<2aで、f(2a)>0
または
軸:2a≦a≦-3で,D<0
…
(ii)2a>-3⇔a>-1の時
…
ってやると二時間後

公園で太陽の子になって静止してることになります。
自分では太陽を抱きかかえてるつもりやねんけど、周りから見たらちょっと近づいたらあかんよ系になってる状態です。
こんなことなったらもう手遅れです。
そんなことならんようにするには、よくあるのが
「必要条件によって条件を絞る」
ことやねん。
「必要条件によって条件を絞る」
もっかい言うとこか?
「必要条件によって条件を絞る」
それでどうするかと言うと、
ある範囲で成り立つ
とこれば
その範囲のある点でも成りたつ
のが必要やからそれを調べてみるねん。
これで求まる条件はあくまで必要条件で、答えではないけどこれは満たさなければなりません。
今回の場合、すべての実数xでf(x)>0,g(x)>0が成り立つようなaを求めなあかんねんけど、x=2aとx=-3でも成り立つはずやん。
なんでx=2aとx=-3を選んだかと言うとg(2a)=g(-3)=0やから、f(2a)>0,f(-3)>0にならなあかんからやねんな。
だからx=2aとx=-3でf(x)>0が必要なわけやな。
これによって出てくる条件は答ではないねんけど、
その条件は満たさなければならないねん。
f(2a)>0かつf(-a)>0
⇔
2a+2>0かつ8a+11>0
⇔
a>-1かつa>-8/11
⇔
a>-1
でa>-1が必要です。
a>-1が別に答えではないねんけど、a>-1まで条件を絞ることが出来たら
-3<-2<2a
だから-3と2aの大小関係もわかるわけや。
これで大幅に場合分けが減るねんな。
と言うことは後は軸x=aが-3≦x≦2aに入るか、右にあるか左にあるかで場合わけしたらよくて
-3≦a≦2aの時つまり0≦aのときと
2a≦aの時つまり-1<a≦0のときを調べたらええねん。
a≦-3はありえへんからふたつだけですわ。
だから解答は


こうなります。
後は写真見といてください。
こうやって、必要条件で条件を絞ったり、または出てきた条件が十分条件であると示したりするような流れの解答が有効なことがものすごく多くて入試問題でも出まくります。
一見、意図がわからないことが多いねんけど、これは必要条件で条件を絞ってるなってわかってこれたらなあって思います。
そしたら必要条件で条件を絞ってたり、出てきた必要条件が十分条件になってるとか言うような流れを使った問題の解答を適当に紹介しとこか。
整数問題、東京大学2006年度理系前期第四問の解説
行列の問題、慶應大学2009年度理工学部B1の解説
一次変換の問題、大阪大学2009年度理系第2問の解説
三角関数の図形問題、京都大学2009年度理系甲第2問の解説
整数問題と不等式の問題、一橋大学2008年度前期数学の第1問の解説
整数問題と極限値の応用問題、東京工業大学2008年度前期第2問の解説
二次不等式の問題
高校数学の公式や問題の解説
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